川越市と狭山市を流れる久保川、国の暫定指針値を上回るPFAS検出
中村瞬
埼玉県は30日、川越市や狭山市を流れる久保川の8地点で、国の暫定指針値を上回る有機フッ素化合物(PFAS)の代表的な二つの物質「PFOS」と「PFOA」が検出されたと発表した。PFASは、発がん性が指摘されている。
国は、公共用水域などでのPFOSとPFOAを合計した暫定指針値を、1リットルあたり50ナノグラムとしている。今回の調査は7月に実施。8地点では、同56~200ナノグラムが検出された。
県によると、久保川やその下流で合流する不老川から取水している水道事業者はなく、両市の浄水場が取水している水は指針値を下回っているという。
今回の調査は、2021、22年度に県が県内全域で行った調査で、不老川で暫定指針値を超える値が検出されていたことを受けたもの。不老川周辺の4河川15地点で調査していた。
県水環境課は「原因特定に向けて、今後も追加調査を行う」とし、周辺の井戸水への影響については「現時点では不明」としている。川越市環境対策課によると、周辺に14カ所の井戸があるが、いずれも久保川や不老川のほか、両河川が流入する新河岸川からの取水はしていないという。