米軍が描いたB29と日本 国策映画で考える、戦争の「加害と被害」

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塩入彩
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 戦争を直接知る世代が減少し、新たな証言の収集が難しくなってきている。そんななか、東京都武蔵野市の武蔵野ふるさと歴史館では、米国に残された資料を集めることで、市民の記憶をひもとき、戦争をより多面的に知ろうと模索している。

 白黒で映された雲の映像に、米軍のエンブレムと「Birth of the B-29(B29の誕生)」というタイトルが浮かび上がる――。

 同館で7月下旬から始まった「戦争と武蔵野Ⅹ」。会場にあるテレビに流れていたのは、戦略爆撃機B29を特集した米軍制作の動画(1944年製)だ。昨年度、同館が米国の国立公文書館で収集し、今回初めて公開した。

 企画展を担当する公文書専門員の高野弘之さんによると、国民の戦意高揚などを目的に制作された国策映画の一種で、娯楽映画などと一緒に映画館で上映されていたのではないか、とみる。

■「平和」「復讐」の象徴とし…

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この記事を書いた人
塩入彩
首都圏ニュースセンター|教育、武蔵野地区担当
専門・関心分野
ジェンダー、教育、性暴力、性教育