総局長日記 雷雨多い群馬、早めの避難肝心
「雷(らい)と空っ風 義理人情」と上毛かるたに詠まれるほど、群馬は雷が多い土地柄。雷とともに降る大雨もよく出くわします。群馬出身なので慣れていたつもりでしたが、いざ体験すると、気が気ではありません。
県内では8日夜から10日未明、突然の豪雨や雷に襲われました。安中、富岡、高崎市などで激しい雨が降り、県内で8、9日の2夜連続で記録的短時間大雨情報が出ました。前橋市に住む身としてもひやりとしました。
全域にわたる大きな被害は確認されませんでしたが、実際に浸水などの被害に遭ったり、避難したりした方もいます。
雨音を聞きながら過去に取材した二つの豪雨災害を思い出しました。
「数十年に一度」の重大な災害が予想される場合に気象庁が発する「特別警報」の運用が始まったのが2013年8月末。その翌月、当時私が勤務していた京都府で、全国初の大雨特別警報が発出されました。夜通し雨が降り、暗闇の中で現場取材もできず、不安なまま一夜を明かすと、同府福知山市の由良川が氾濫(はんらん)し大規模の浸水被害が起き、京都市有数の観光地・嵐山の渡月橋付近でも水害に襲われました。
もう一つは、18年7月の西日本豪雨。広島、岡山、愛媛の3県を中心に300人以上(災害関連死を含む)が犠牲になりました。私は岡山県倉敷市に入りましたが、このときも一夜が明けてようやく被害の概況がわかったことを思い出します。
河川の氾濫や土砂災害は、あっという間に生活をのみこみます。
ハザードマップで周辺環境を把握し、行政情報に耳を傾け、早めの避難が肝心です。かえって避難が危険な場合は住宅上部への「垂直避難」も必要です。言い尽くされていることですが、改めて確認したいと思います。