被災現場で同行した認定調査 公正な支援策につなげる現場の難しさ

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論説委員・前田史郎
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 災害の現場を取材していると、市役所の職員に間違えられることがある。壊れた家の前にいたら「調査ですか」と声をかけられる。公的支援に必要な罹災(りさい)証明書をもらうため、被害認定の調査を待っている人が多いことに気づかされる。

 被害が1千戸を超すような場合、一軒ずつ回るには相当の時間がかかる。

 台風10号が上陸したこの夏、関東各地で大雨が降り、静岡では500戸以上が浸水した。被災から約1週間後の9月初め、静岡市の認定調査に同行した。外からはどこが損壊したのかわからない一軒家を訪ねると、住人の男性は「靴のまま上がってください」と言った。床は泥の色に染まり、壁の真ん中近くまで水の跡が残っていた。

 2人の職員は、「全壊」「大…

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