託児は母の命を救う 「孤育て」経験した女性が目指す預けやすい社会

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小林直子
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 「お母さんたちのやりたいことが全部できる夢の施設を」。そんな思いで始めたものの、いま思えば、逆にハードルが上がっていたのかもしれない。

 託児所コンサルティング事業を担う「Mine.(マイン)」(横浜市都筑区)代表の上村あかねさん(36)は2年前、託児ルーム併設のカフェ「託児所cafe min tid mom(ミン・ティッド・マム)」をオープンした。

サービス変えて起こった変化

 当初は、託児ルームに子どもを預け、親は併設のカフェでゆっくり食事をしたり、外出したりすることを想定したサービスだった。

 上村さんは2児の母。きっかけは自身が経験した、周囲に頼る人がいない「孤育て」だった。

 だが、いざ運営を始めてみると、「託児を利用する前にまずは子どもと一緒に利用したい」という声が多く寄せられた。子どもを預けることに不安や罪悪感を感じる母親も少なくないからだ。

 そこで、オープンから半年後、気軽に利用できるようサービス形態を変えた。

 カフェは親子で利用できるようにして、託児ルームの定員に空きがあるときは「当日予約なし利用」ができるようにした。

 すると、カフェで食事中に子どもが飽きたり、眠くなったりしたときなどに託児を利用する人が増えてきた。「子どもを預けることにハードルを感じている保護者が一歩を踏み出しやすい場所になれば」と言う。

 さらに力を入れるようになったこともある。「質の高い託児」だ。

 上村さん自身、認可保育園の元保育士。託児ルームのスタッフは全員、保育士資格を持ち、「保育の質」にこだわってきた。

毎日が「慣らし保育」の難しさ

 ただ、保育園の保育と託児ル…

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この記事を書いた人
小林直子
横浜総局|記者キャップ
専門・関心分野
子育て・教育、スポーツ