個性あふれる自由曲の選択が魅力を引き出す 全日本合唱コンクール

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野城千穂
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 第77回全日本合唱コンクール全国大会(全日本合唱連盟、朝日新聞社主催)中学校、高校部門が26、27日にさいたま市のソニックシティで開かれた。会場では今年も、各団体の個性あふれる自由曲の演奏が響いた。

委嘱曲

 今年も複数の団体が、作曲家に書き下ろしてもらった委嘱作品を披露した。まだ他の誰も演奏していない作品を、楽譜を頼りに作り上げる難しさもあるなかで、どんな狙いがあるのか。

 26日、目にも耳にも楽しい演奏をしたのは、出雲北陵中・高(島根)だ。自由曲の「ひろば」「ドモ アリガト」(ともに詩・覚和歌子さん)は、セリフ調で「ようこそ、いらっしゃいました」と語りかけたり、アフリカの打楽器ジャンベをたたいたり。さらに後半には、全員で舞台上をドタバタと右へ左へ移動し、集合写真を撮るしぐさをするといった趣向で観客をあっと驚かせた。

 この曲は、同校が作曲家の横山潤子さんに委嘱した作品。楽譜には動きの指示はなかったが、指揮者の布野浩志さんは、横山さんとやり取りを重ねながら、曲や詩と連動した動きを考案した。動きは直前まで試行錯誤をしたという。

 「どうしたらお客様に視覚的…

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この記事を書いた人
野城千穂
文化部|音楽担当
専門・関心分野
音楽、舞踊