「初の女性大統領」意義を説かないハリス氏 強さを求める米国の現実

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ワシントン=榊原謙
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 グラミー賞を3度受賞した米黒人女性ラッパー、ミーガン・ザ・スタリオンさんは7月30日、大統領選の激戦州、ジョージア州アトランタのスタジアムのステージに立った。

 民主党のイメージカラーの青のスーツに身を包み、代表曲のラップとダンスの合間に、聴衆に向け叫んだ。

 「私たちは、初の女性大統領と、歴史をつくろうとしている。初の黒人の女性大統領と!」

 10日ほど前に出馬表明したばかりのハリス副大統領の選挙集会。支持者ら1万人が大歓声で応えた。

 ミーガンさんは男性中心の米ラップ界に風穴を開けたトップラッパーだ。一方のハリス氏も、男社会の法曹界で頭角を現し、女性初の副大統領になった。共に黒人で、女性の権利擁護を強く訴えてきた共通点もある。

 そんなハリス氏の自画像に重なるミーガンさんが訴えたのは、ハリス氏を大統領に押し上げることの「歴史的意義」。建国以来約250年、女性の大統領はいないからだ。

 ジョージア州は、大統領選の行方を左右する激戦7州のなかで、最も黒人比率が高い。米CBSなどの世論調査では、黒人層の51%が男女間の平等をめざす努力が「不十分」と考えており、白人(30%)を上回る。

 だからこそ、アトランタは「初の女性大統領」を打ち出し、コア層の支持固めをするのに最適の舞台だった。

 だが、満を持して登壇したハ…

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