オリパラにはないボウリング競技 音のない世界で調子を見極めるには
藤野隆晃
4年に1度開かれる聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」では、オリンピック(五輪)やパラリンピックにはないボウリングが行われる。
ルールは一般的なボウリングと同じだが、補聴器や人工内耳は使えない。
初出場をめざす佐藤杏奈(19)=東北福祉大=は、生まれつきの重い難聴だ。左耳は幼稚園児の頃から、右耳は中学生の頃から人工内耳をつけている。
アマチュアボウラーの父・昭仁さんから影響を受け、中学生になって本格的にボウリングを始めた。意識したのは体幹を鍛えること。ボウリング場で練習するのは週1回だったが、週5回、筋力トレーニングをしてぶれない体を作った。
中学3年の時に東北大会で健聴者と競って6位入賞した。そのときは競技中も人工内耳をつけてプレーしていた。
ただ、知人の勧めで参加したデフの大会は、そうはいかなかった。
ボウリングでは、球を指から…