人々はなぜ戦闘を支持するのか ミサイル攻撃の夜イスラエルで考えた

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エルサレム=加藤あず佐
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 目の前の日常が、一瞬にして恐怖に満ちた光景に変わる――。そんな経験をしたのは初めてだった。10月1日、イランがイスラエルに向けて約200発のミサイルを発射したときのことだ。

 9月末、3週間の出張のため、緊張してエルサレムに赴いた私は、街の穏やかさに驚いていた。ユダヤ教キリスト教、イスラム教の三つの宗教の聖地が集まる旧市街付近は、ベージュ色で統一された建物を花が彩り、夜までレストランがにぎわっていた。10月1日の昼ごろ、「イランがイスラエルへのミサイル攻撃を準備している」と米メディアが報じ始めた。それでも、滞在先のアパートの踊り場では、夕刻を過ぎても子どもたちが走り回り、路地裏にはワインを楽しむ人々の姿があった。

 その日の午後7時半、スマートフォンから大音量の警告音が鳴った。イスラエルのほぼ全土に空襲警報が出されたのだ。急いでアパートの外に出ると、血相を変えた住人が一目散に階段を駆け下り、地下室に向かっていた。

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空に浮かぶ火の玉 悲鳴上げる子を抱く母親

 私が地下室に駆け込んだ数分…

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