【そもそも解説】基地の騒音訴訟、どこで起き、裁判所はどんな判断?

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森下裕介
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 全国の基地を離着陸する自衛隊機や米軍機の騒音を巡り、各地で損害賠償や飛行の差し止めを求める訴訟が起こされてきました。

 騒音被害は、一定の基準を超えれば違法として国に賠償を命じる判断が定着しています。一方、飛行を差し止める判決が確定したことはなく、周辺住民は繰り返し裁判を起こし続けなければいけない状況にあります。これまでの経緯を解説します。

 Q 基地の騒音を巡る訴訟は、全国で起きている?

 A 1975年、航空自衛隊小松基地(石川)の周辺住民が飛行差し止めや損害賠償を求めて提訴したのが始まりだ。その後、横田(東京)、厚木(神奈川)、岩国(山口)、新田原(にゅうたばる)(宮崎)、嘉手納(沖縄)、普天間(同)といった自衛隊や米軍の基地の周辺住民が同様の訴訟を起こしてきた。いずれも夜間から早朝の航空機の飛行差し止めのほか、騒音による精神的苦痛や健康被害に対する損害賠償を求めている。

 Q 住民側は、騒音でどんな影響が出ていると訴えている?

 A 会話やテレビ視聴など日…

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この記事を書いた人
森下裕介
ネットワーク報道本部|地方裁判担当
専門・関心分野
司法、刑事政策、人権