新任の「機動救難士」が関空海上保安航空基地に 隊員の森口さん
田中章博
【大阪】関西空港海上保安航空基地でこのほど、隊員の森口允太(じょうた)さん(29)が海難救助にあたる機動救難士に任命された。森口さんは「どんな苦しい現場でも、要救助者に安心してもらえる機動救難士を目指したい」と語った。
機動救難士は主にヘリコプターに乗り込み、海難事故に遭った人の救助などにあたる。関西空港海上保安航空基地によると、全国で10カ所に90人が配属されている。
神戸市出身の森口さんが海上保安官を志したのは、中学3年生のときに起きた東日本大震災がきっかけだった。津波で流された家や孤立した集落にヘリで降下して救助にあたる姿に憧れたという。
海上保安庁に入り、潜水士として経験を積み、機動救難士になるため今年4月から関空の航空基地でロープ降下などの訓練を重ねた。10月には100キロを24時間以内に歩く最終訓練をやり遂げたという。
1日、オレンジ色の機動救難服を中林久子基地長から受け取った森口さん。「厳しい訓練が自信になった。心の強い機動救難士になります」と誓った。