興福寺で切り絵作家・望月めぐみさん個展 竜伝説にちなみ中金堂でも

今井邦彦
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 京都市を拠点に活動する切り絵作家、望月めぐみさんの個展が、24日まで奈良市興福寺の南円堂休憩所で開かれている。興福寺に伝わる竜伝説にちなみ、中金堂でも長さ約15メートルの切り絵の竜が展示されている。

 望月さんは、1枚の紙からレースのように繊細な図像を切り出す「超絶技巧」の切り絵作家。東アジアの神話や古代思想に関心を持ち、寺院や茶室など伝統建築でのインスタレーションも多く手がけてきた。

 南円堂休憩所には、興福寺の国宝・阿修羅像(像高約153センチ)を越前和紙に実物大で「彫った」作品や、4頭の竜が複雑に絡み合った形の打楽器「華原磬(かげんけい)」をモチーフにした立体的な切り絵など、約20点が並んだ。

 中金堂の須弥壇(しゅみだん)には、興福寺や猿沢池に伝わる伝承にちなんで、全長約15メートルの作品「千鱗飛龍(せんりんひりゅう)」が飾られた。うろこの一枚一枚まで表現され、迫力に満ちている。

 望月さんは「竜は私自身にとっても大切なモチーフ。竜にゆかりのある興福寺で作品を展示できるのは、念願がかなった気持ちです」と話した。

 南円堂休憩所の展示は午前10時~午後4時半、入場無料。中金堂は午前9時から、23日は午後8時まで、24日は午後7時まで、拝観料500円。

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この記事を書いた人
今井邦彦
専門記者|歴史・文化財
専門・関心分野
歴史、考古学、文化財、サブカルチャー