緑色の水面、漂う異臭…江戸城の外濠を浄化へ、10年がかりの大計画

有料記事

石平道典
[PR]

 水質が悪化し、緑色によどんだ外濠(そとぼり)の水をきれいにしようという計画が進んでいる。江戸城(現在の皇居)を取り囲むようにつくられた外濠は、かつては玉川上水や江戸市中から水が流れ込んでいたが、現在は閉鎖水域となっており、水質悪化が深刻だ。美しい「水の都」をよみがえらせようと、東京都は約10年後の完成をめざし、玉川上水や荒川から水を引き入れる壮大な計画に取り組んでいる。

 8月21日夜、ゲリラ豪雨東京メトロ市ケ谷駅浸水した。あふれた下水は外濠の一つ、市ケ谷濠に流入。水質悪化や悪臭を引き起こした。

 江戸城外堀(外濠)は1604~36年、幕府の天下普請により構築された。内堀とともに江戸城を二重に取り囲み、防備や舟運などを担った。浮世絵師の歌川広重が「名所江戸百景」で水辺の風景を描いたように、江戸は「水の都」の象徴だった。

歴史的遺産も、水質悪化が深刻に

 しかし、明治時代に入ると鉄道用地として利用されるなど、水面の多くが失われた。現在は飯田橋四ツ谷赤坂見附の間に掘割が残り、江戸城外堀跡(千代田、新宿、港区)として国史跡に指定されている。

 そんな歴史的財産である外濠…

この記事は有料記事です。残り885文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
石平道典
東京ネットワーク報道本部|首都圏ニュースセンター
専門・関心分野
地域取材、東京23区、教育、文化