トクリュウ対策、全部門で 滋賀県警が「犯罪抑止本部」立ち上げ

鈴木洋和
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 指示役が匿名性の高いSNSなどで実行役を集め、犯罪を実行する「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」が増えて県民の不安が高まっていることを受け、滋賀県警は26日、トクリュウ対策として「犯罪抑止戦略推進本部」(本部長=池内久晃県警本部長)を設置した。刑事部長や生活安全部長だけではなく、交通部長など全6部長が参加する。

 トクリュウの犯罪は特殊詐欺、強盗、窃盗など幅広い。「投資すれば利益を得られる」などと持ちかける「SNS型投資・ロマンス詐欺」の県内の被害を1~10月で比べると、昨年の83件、計7億3千万円から、今年は2倍以上の219件、計17億6千万円に増えた。

 県警は県と協力し、「トクリュウ・闇バイト・詐欺・強盗緊急対策プラン」を策定。被害にあわないためのポイントをより多くの人に知ってもらうため、各職員が業務で県民と接したときに注意喚起をする。市町や金融機関、量販店などとも連携し、注意を促す動画を訪問者の目に留まるよう流してもらう。

 情報発信強化の一環として、ユーチューブの県警公式チャンネルに26日、2本の動画をアップした。池内本部長が「闇バイトは犯罪。安易な気持ちで絶対に応募しないで」などと、闇バイトや詐欺に気を付けるよう呼びかけている。

 26日に県警本部で開かれた推進本部の初会合で、池内本部長は「全ての部門が主体的に対策を講じなければならない。各持ち場で知恵を絞って欲しい」と強調した。

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この記事を書いた人
鈴木洋和
大津総局|警察、裁判所
専門・関心分野
事件事故、裁判