「歴史問題を政治利用してはならない」 軍艦島登録時の駐日韓国大使

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聞き手・牧野愛博
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 新潟県佐渡市で24日、ユネスコ国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録された「佐渡島(さど)の金山」の朝鮮半島出身者を含む全労働者の追悼行事が開かれました。韓国政府は23日に不参加を表明し、25日に独自の追悼行事を行いました。2015年に長崎県の端島炭坑(軍艦島)などからなる「明治日本の産業革命遺産」が登録された際、韓国の駐日大使だった柳興洙(ユフンス)・元韓国国会議員(87)は、「韓日双方ともに過去の歴史問題を政治利用してはならない」と語ります。

 ――追悼式を巡る日韓両政府の対応をどうみていますか。

 韓日関係にとって非常に遺憾な出来事です。尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と岸田文雄首相(当時)の決断で、韓日関係が劇的に改善しているなかで起きただけに、非常に残念です。

 韓国にとって過去の歴史問題は、対日関係で大きな政治的負担になってきました。日本側も様々な配慮をしてきました。(朝鮮半島出身者が強制労働を強いられたと、韓国側が主張している)軍艦島の世界文化遺産登録の際も、(日韓関係の調整で)大変だった記憶があります。

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 当時の斎木(昭隆)外務次官…

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この記事を書いた人
牧野愛博
専門記者|外交担当
専門・関心分野
外交、安全保障、朝鮮半島