第3回将来の「母体」として扱われることへの違和 「国の責任を問いたい」

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聞き手・大貫聡子
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 不妊手術について、配偶者の同意などを必要とする母体保護法憲法違反だ。今年2月、そうした訴訟が提起された。エジプト・カイロであった国際会議で1994年、「性と生殖に関する健康と権利(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、SRHR)」の概念が提唱されて30年。原告の梶谷風音さんは、日本では「産まない選択肢」が今も十分に保障されていないと訴える。

 お母さんになるための準備――。小学校高学年のとき、学校で生理についてそう説明を受けました。高校生になると、塾の先生から「おしりが大きいから、子どもを産みやすそうだね」と言われました。

 なぜ、何でも妊娠するための能力に収斂(しゅうれん)されるのか。自分の体を「母体予備軍」として扱われ続けることに、強い違和と嫌悪を感じてきました。

 この呪縛から逃れたい。でも…

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この記事を書いた人
大貫聡子
くらし報道部
専門・関心分野
ジェンダーと司法、韓国、マイノリティー