「被疑者ノート」持ち去り、黙秘やめるよう説得 取り調べの違法性は

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上保晃平
黙秘権めぐる国賠訴訟、警察取り調べ時の映像が公開=原告側弁護士提供
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 北海道警に逮捕された後、勾留中に黙秘権などを侵害されたとして、その後不起訴処分(嫌疑不十分)になった女性と担当弁護士が道に慰謝料計160万円を求めた訴訟の判決が3日、札幌地裁である。密室でなにが起きていたのか――。

 訴訟では、警察官による取り調べや、弁護士との接見内容を記した「被疑者ノート」を警察官が一時持ち去ったことの違法性が争点となっている。

 女性は2021年6月、当時2歳だった息子に対する監禁容疑で、道警に緊急逮捕された。病院に搬送された息子は翌日に死亡した。

 女性は担当弁護士と相談し、取り調べに対して黙秘することにした。

 ところが、今回の裁判で公開された取り調べの映像記録によると、供述を拒む女性に警察官が「黙ってもなんもいいことない」「(黙秘権は)本当のことを言わなくてもいい権利でもない」と発言。亡くなった息子について「いらない子だったの?」「じゃあ産まなきゃよかったんじゃないの?」などと述べた。

 原告側は、警察官がこうした…

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この記事を書いた人
上保晃平
北海道報道センター|事件・司法担当
専門・関心分野
人権、社会保障、障老病異