女川原発UPZ、5市町が議会を設立 再稼働に「もの申す」

柳沼広幸
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 東北電力女川原発宮城県女川町石巻市)の半径5~30キロ圏にある東松島市など5市町は、原発が緊急事態になったときに住民が屋内退避などをするUPZ(緊急防護措置を準備する区域)にあたるため、新たに「女川原子力発電所UPZ関係自治体協議会」を設立する。23日に東松島市役所で設立総会を開く。

 女川原発のUPZは、東松島、登米、南三陸、涌谷、美里の5市町。渥美巌・東松島市長は3日の記者会見で「原発で事故が起きれば、20キロ、30キロ、40キロ離れていても大きな影響を受ける。UPZの首長としてしっかりものを言いたい。一番は安全対策を求めていく。原発があることで地元にはマイナス面もある。地域振興策も必要だ」と話した。5市町の首長は11月、宮城県に対して、県が東北電力から徴収する核燃料税の市町への交付金について、配分の増額を要望している。

 女川原発に関してUPZの自治体はこれまで、再稼働に関する地元同意などの際に女川町と石巻市、宮城県の意向を尊重してきたという。しかし、東京電力福島第一原発福島県)の過酷事故では広範囲が放射能で汚染された。渥美市長は原発被災地の福島県南相馬市を視察し、「20キロ、30キロでも人が住めない地域があり、被害は大きい」と実感した。

 東日本大震災で停止していた女川原発2号機が10月末に13年7カ月ぶりに再稼働したこともあり、UPZ5市町は連携を深め、活動を強化していくという。現在の「UPZ関係自治体首長会議」を廃止し、協議会を新設する。渥美市長は「全国の原発が立地する地域のUPZ自治体とも連携をはかりたい」という。

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