意識ない救急患者、マイナ保険証で医療情報を閲覧 病院で運用開始へ
救急患者を受け入れた病院が、患者の過去の医療情報を閲覧できるシステムの運用が9日から始まる。患者の意識がなく、同意がとれなくても、保険証にひもづいたマイナンバーカード(マイナ保険証)があれば、患者が使っている薬や持病などを医療者が把握できるようになる。救命率の向上や、治療後の生活の質を上げることにつながる可能性がある。
救急現場では、意識のない患者から得られる情報が乏しいことが、治療法を選ぶ上で大きな障壁になってきた。
例えば、心臓や脳の血管が詰まって突然倒れた救急患者では、手術前に血液検査などをしないと危険な場合がある。患者が普段、血液をサラサラにする薬をのんでいると、出血を起こしやすくなり、手術前に中和薬などが必要になるためだ。どの薬をのんでいるかによっても対応が異なるため、正確な薬の情報が重要になる。
厚生労働省が開発する新たなシステムでは、医療者が、過去5年分の患者の受診歴や処方された薬剤、診療、健診などの情報のほか、過去100日分の電子処方箋(せん)の情報などを閲覧することができる。
9日から順次、病院に導入さ…
マイナンバー・マイナ保険証問題
マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」への移行が本格化し、従来の健康保険証の新規発行が停止されましたが、マイナ保険証の利用は低調なままです。関連ニュースをまとめてお伝えします。[もっと見る]