勝っても、勝っても、ほめない監督 それでも涙を流したあの試合

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構成・渋谷正章
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 中京(岐阜)は今夏、軟式野球の全国高校選手権大会で2度目の3連覇を達成した。単独トップにある通算優勝回数は13に伸ばした。

 平中亮太監督(43)は2007年に就任以来、在任18年で全国選手権に14回出場し(20年はコロナ禍で大会中止)、優勝は9度を数える。

 勝ち続けられる理由は、どこにあるのか。

選手をほめない理由

 「何でそんなに勝てるのか」とよく聞かれます。でも、自分がこういう性格だからですが、常に恐怖と不安しかないです。

 全国選手権にまた出られる保証は、何もない。一度途切れたらそのまま終わることもある。

 練習は試合で負けないため、勝つ確率を上げるためにある。軟式は点が入りにくく、一つひとつのアウトを重ねることが大切です。

 ゴロが素直なバウンドで来てくれなかったり、弾むごとにボールが潰れて色んな動きをしたりもします。丁寧にプレーしないと、アウトを取れない。

 この時代に怒られそうですが、指導ではほめません。勝利をめざすとともに、社会に旅立つ時に向け、我慢や礼儀といった人としての成長を何より大事にする姿勢が中京高校軟式野球部の根底にあります。

 勝っても、勝っても、叱られる。選手はかわいそうだと思います。僕を鬼だと思っているでしょう。

 でも、叱るのもエネルギーが要ります。

 本当はほめてやりたい時もあ…

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この記事を書いた人
渋谷正章
ネットワーク報道本部|大阪駐在・関西担当
専門・関心分野
スポーツ