アサド政権崩壊に沈黙 シリア元外交官「北朝鮮が独裁の方法教えた」

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牧野愛博
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 シリアのアサド政権崩壊を最も深刻に受け止めているのは、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記だろう。2013年に米国に亡命したシリアの元外交官、バッサム・バラバンディ氏は「アサド政権の独裁体制は北朝鮮のコピーだ」と指摘する。核や化学兵器を巡る協力なども今後、徐々に明らかになっていくとみられる。

 バラバンディ氏によれば、政権崩壊でロシアに亡命したバシャール・アサド大統領の父、ハフェズ・アサド元大統領は1971年のクーデターから間もなく、74年ごろまでに北朝鮮を訪れた。ハフェズ氏はそこで、思想統制や監視など独裁の方法を学んだという。

 バラバンディ氏によれば、(多数の虐殺や拷問が行われたとされる)シリアのセドナヤ刑務所には、内戦が始まった2011年から計約37万5千人が収監されたという。米国務省の17年度版報告書によれば、北朝鮮では8万~12万人が政治犯収容所に収監されている。

 また、バラバンディ氏によれば、シリア東部アルキバルに建設しようとした原子炉は、北朝鮮製だった。資金はイランが出した可能性が高いという。イスラエル軍は07年9月に原子炉を空爆で破壊した。

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この記事を書いた人
牧野愛博
専門記者|外交担当
専門・関心分野
外交、安全保障、朝鮮半島