電線ケーブル不足でごみ施設完成遅れ 万博や能登半島地震も影響
大分県宇佐市、豊後高田市、国東市の3市による広域ごみ処理施設が稼働を始める時期が、これまで計画していた来年7月から5カ月延長され、12月ごろになる見通しとなった。能登半島地震の復旧対応や大阪・関西万博の会場整備などで電気設備に接続する高圧の電線ケーブルが不足し、作業に従事する電気技術者の確保も難しくなったのが主な理由という。
3市でつくる広域事務組合が20日、記者会見で明らかにした。
建設地は宇佐市西大堀で、昨年1月に起工式があった。計画では約4・1ヘクタールの敷地面積に1日あたり96トンの処理能力がある焼却棟や同10・3トンのリサイクル棟などを設ける。総事業費は約110億円。
組合によると、今年1月に発生した能登半島地震の対応で被災地に優先的に資材を供給する必要が生じたほか、来年4月に開幕する大阪・関西万博の会場整備、熊本県などでの大規模な半導体製造工場建設も影響し、全国的に電線ケーブルが不足しているという。
このため、プラントの電気工事が遅れ、完成予定は来年6月から11月にずれ込む見通しだ。
3市では現在、老朽化した処理施設を使っているが、延長によってさらに5カ月継続して使うことになる。事業費に変更はなく、延期によって市民の負担が増すことはないという。工事を請け負う共同企業体の代表企業、内海(ないかい)プラント(本社・岡山市)の担当者は「不足していた資材が来年2月ごろには入ってくる」と説明。組合管理者の是永修治・宇佐市長は「圏域の住民にご心配をおかけして申し訳ない。少しでも前倒しして完成させるよう受注企業にお願いしたい」と話した。