事前交渉なしの買収が日本標準に? ニデックTOB、専門家の見解は

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清井聡
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 工作機械分野の強化を急ぐニデックが2024年末、業界大手の牧野フライスに、事前の交渉を全くしない「同意なきTOB(株式公開買い付け)」を仕掛けた。ニデックは極めて異例なこの手法を、日本企業のTOBの標準にしたいという。今後、このやり方が広がるのか。企業買収の実務に詳しいM&Aキャピタルパートナーズの辻井武弘・IBカバレッジ部長に聞いた。

 ――約2600億円にものぼる今回の買収提案について、ニデックは「事前の交渉は全くしていない」としています。

 「公表通りなら、非常に珍しいケースと言えます。ただ、ニデックが数年前から工作機械メーカーに積極的に買収をしかけてきたのは周知の事実で、牧野側も脅威に感じていたはず。ある程度、事前に想定していた可能性はあります」

 ――ニデックはなぜ、乱暴にも見える手法をとるのでしょう。

 「とにかく時間をかけたくな…

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この記事を書いた人
清井聡
経済部
専門・関心分野
企業経営、ガバナンス、産業政策