この東京砂漠で、宇宙人が攻めてきても、天変地異が起こっても生き残るには、食べるものがあればなんとかなる! ということで、都会の野草は食えるのか、というチャレンジ第2弾。
【その1:勝浦で海草狩り】
今回は旅行先で交通が遮断された状態を想定して、千葉・勝浦&九十九里浜へ。
え、海に草なんてないだろうって?
……いや、海草がある!
……てなことで、公園での食料採取は前回で懲りたので、風光明媚な土地へ。
勝浦の名物、カツオをモデルにしたというゆるキャラ、カッピーと記念写真。頬を赤くして出迎えてくれるなんて、なかなか可愛い半魚人である。
魚市場を抜けて、勝浦湾が一望出来る八幡岬公園へ。
房総半島の先っぽ。
……そして、素敵な野原がある。そこで見つけた、
タンポポの葉。
一度食べると、こうしてアスファルトと土の間から湧いて出たタンポポの草にも、同志的な連帯を覚えてしまうのが不思議。
さっそく、海の方に歩き出すと、
……あっ!
先客がいた。
ホンモノの人だ。
荒波にも負けず、なにやら海草と思しきものを採取しているウミンチュの方。
だが、僕は手ぶらで、着替えもないので、海には入らず岩場で探すことに。
ちなみにここ、振り返れば、断崖絶壁である。
速攻で発見。
なんていう海草なのか皆目わからないが、ミネラルが豊富そう。
これはワカメだな。
あれはコンブでしょうか。
……これはヒトデみたいだな!
よく見ると気持ちの悪い貝が、寄生してる。
……面白半分でグロテスクなのを集めても、とても食べれないので緑色っぽいものだけをペットボトルに詰め込んでます。
だいたい、ワカメとコンブと海ぶどうくらいしか海草の種類なんて知らないので、紹介出来そうもない。
で、適当に採取して、撤収。
なぜなら、これから九十九里に海草を採取しに行かなくてならないからだ。
B級グルメの雄、勝浦タンタン麺で賑わう街。
それにしても人がいない。
【その2:九十久里浜で海草拾い】
翌日。勝浦で一泊したあとは、
九十九里浜にやってきた。
せっかく、千葉まで来たのだから、岩場と浜で海草を集めてみたかったのだ。
またもや、ワカメ。
そして、ワカメたちをたどっていくと…
た、大量だー!!
海水で洗う。
げへへへへへへ。
……。
しかし、こんなゴウゴウ海風の吹きまくる、もの悲しい海岸でのワカメ拾い。
まるで、何かの修行のように思えてきた。
あるいは、何かに取り憑かれていたのかも知れない。
集まった海草たち。
【その3:味噌汁にしてみる】
さらに翌日。
休日をワカメ拾いという虚しい事業にすっかり費やしてしまった月曜日。
磯臭いワカメを抱えて、出勤。
会社でワカメたちを水につけてみた。
これぞ海の幸!
こいつを味噌汁に入れて食べてみようと思う。
10分ほどこの状態で放置。その後、水ですすいでみる。
そもそも、天変地異などが起こった非常時に、味噌を使って味噌汁を作るなんて、不可能である。
そこで会社の非常用の食料バッグの中にあったレトルトの「かにみそ汁」をチョイス。
海同士で、相性がいいと思ったからだ。
まあ、今日の味噌汁は人間の科学力と自然の生命力の勝負といった趣がありますね!
しかも擬似サバイバルという企画趣旨にもピッタリ……。
べつに、レトルトを使ったのは味噌から味噌汁を作るのが面倒だったからではない。
ワカメを入れると、すっかりレトルトの粉が見えなくなってしまった。
で、お湯を入れたら、
ワカメが膨らんだ……ッ!
リアルふえるワカメちゃん、である。
当然の事象だが、その膨張率に驚くばかり。
ともあれ、食べてみた。……が、
か、噛みきれねえ……!!!!
噛んでも噛んでもぐにゅぐにゅと潮くさい濃厚な匂いが口に残る。
この2日で腐ってしまったのだろうか。それとも調理法を誤ったのだろうか……。
確かに味は、ワカメだ。
しかし、人間に飼いならされていない味がするのである。
そのワカメパワーが強すぎて、カニの風味が全く失われた汁で至急飲み下す。
なんで野草といい、自然の草たちは、こんな自己顕示欲が旺盛な食べ物ばかりなのか。
自然の脅威の凄まじさを思い知り、再び自分の弱い胃腸の心配を始めるのだった。
※海草を食べる際には事前に調べたり、専門家に聞くなど十分にご注意ください!