大衆酒場のマスターに何にでも合う万能調味料ぬたの作り方を聞いてきた

大井町の大衆酒場「こいさご」のマスターに、夏にぴったりの万能調味料ぬたの作り方を聞いてきました。さまざまな食材に合うぬたの作り方は、知っておいて損はなしですよ。

こんにちは、塩見なゆです。

厳しい暑さが続きますが、皆さんはこんな季節に食べたいおつまみといえば何を思い浮かべますか?

私の場合、気温が上がってくると食べたくなるおつまみの代表格といえば、ぬたです。酸味のきいた甘じょっぱいぬたを魚介類やお野菜と一緒に頬張れば、暑い季節にぴったりな極上のおつまみに。

大量に流れ出た汗の塩分を、冷たいぬたで補給して、キンキンに冷えたお酒を流し込む瞬間は、夏の幸せといえるかもしれません。

夏に食べたいおつまみ、ぬたがおいしい居酒屋さんに作り方を教えてもらえたら……。淡い期待を持っていたところ、大井町にある、行きつけの「大衆酒場こいさご大井町本店」でぬたの作り方を教えていただけることに! 

ということで、早速お店にお邪魔してきました。

ぬたの作り方をお伝えする前に「こいさご」の紹介から

「こいさご」とは大井町にある大衆酒場です。

会社勤めの営業マンだった綿貫さんが、2022年のコロナ禍に脱サラをして「こいさご」を開業しました。もともと居酒屋さんが好きで、いつかは自分でお店をやりたいという夢を持っていた綿貫さんが、理想の酒場を目指してオープンしたそうです。

一人飲みに適したボリュームと価格にこだわり、どの料理も300円前後という立ち飲み店のような低価格で提供しています。安さだけではなく、料理のおいしさも評判となり、開店から1カ月後には満席となることもしばしば。大井町のホットな酒場の一つといえるでしょう。

そんな「こいさご」で、夏に注文数が増えるというメニューが、本日の海鮮ぬた(385円)。気温が高くなると、常連さんを中心に、冷酒と一緒によく注文されるんだとか。

ということで、冷酒がすすむ本日の海鮮ぬたの作り方を教えていただきました。

「こいさご」流、本日の海鮮ぬたの作り方

塩見なゆ(以下、塩見):本日はよろしくお願いします!

綿貫和人さん(以下、綿貫さん):こちらこそよろしくお願いします。

塩見:まずは、ぬたについて伺ってもいいですか?

綿貫さん:ぬたとは、にんにく、味噌、お酢などをあわせた調味料を指します。使用する味噌の種類や調味料に定義はなくさまざまなので、お店の個性が出る点が魅力だと思います。

塩見:では、こいさご流のぬたの作り方について教えてください。

綿貫さん:当店のぬたは、その時々によって作り方を変えているんですが、基本的にはお酢3、白味噌2、砂糖1の比率で混ぜます。味見をしながら、からしを適量入れることもありますね。また、素材の味をいかすためににんにくは使用していません。

一般的に白味噌を使うことが多いですが、赤味噌のぬたを出すお店もありますよね。使う材料によって個性がでるのがぬたの魅力です。

塩見:「こいさご」さんのぬたには、からしが入るんですね!

綿貫さん:からしを入れると味が引き締まりますから、おすすめです。

塩見:ぬたの作り方は非常に簡単ですが、作る上でのポイントはありますか?

綿貫さん: ぬたそのものは簡単なので、それをかける食材で遊んでみると面白いですし、奥が深いです。では、実際に本日の海鮮ぬたを作ってみますね!

塩見:お願いします!

綿貫さん: まずは土台となる、しそとわかめをお皿に盛りつけます。

綿貫さん: 次にネギを盛りつけます。当店は白ネギを使っています。6cmほどの長さにカットして、透明感がでるまでゆでたものです。 個人的に海鮮もお野菜もぬたとよく合うと思うので、盛り合わせのようにさまざまな食材を少しずつ入れるようにしています。

綿貫さん: 海鮮は日によって変わりますが、本日はタコと〆鯖です。ぬたはマグロやブリ、アジ、ホタテとどんな魚介類とも相性がよく、それぞれの味を引き立ててくれますよ。

綿貫さん:最後にぬたとごまをかけたら完成です。早速お持ちしますので、食べてみてください!

本日の海鮮ぬたの味わいは?

塩見:まずは、ぬたがたっぷりかかった〆鯖からいただきます。

〆鯖の脂とぬたが合わさって、噛むほどに味に深みがでてきます。重厚な白味噌のうま味と甘味を感じた後、お酢の酸味が口の中をさっぱりさせてくれます。

〆鯖は薬味と醤油で食べる方も多いと思いますが、ぬたもおすすめしたいです。

塩見:続いてはタコをいただきます。タコは淡泊な味わいなので、ぬたをダイレクトに感じられます。初めはぬたの味が強いと思いきや、最後はタコの味わいを引き立ててくれました。ぬたを巧みに取り入れることで、魚介料理のバリエーションも広がりそうです。

塩見:続いては、ゆでた白ネギを。〆鯖やタコとは異なる野菜とぬたの相性ですが、白ネギの甘さがぬたの酸味をさらに引き立てて絶妙です。

ゆでた白ネギとわかめは、ぬたとあえるだけでこんなにおいしくなるなんて! 

そう思っているとついついお酒が飲みたくなってしまったので、おすすめのお酒も聞いてみました。

綿貫さん: ぬたのような爽やかな料理には、淡麗でキレのよい冷酒が合うと思います。

塩見:ということで、辛口の日本酒をいただきました。日本酒の風味とぬたはすばらしいペアリングでした。ぬただけでお酒が飲めてしまうほどでした。

「こいさご」店主の綿貫さんに聞く、ぬたによく合うメニュー

綿貫さん: 実は、豚足(385円)とぬたをセットで注文いただくことも多いですよ。食べてみますか?

塩見:ぜひ、いただきます!

綿貫さん: 当店では煮込みの味変用に、自家製のにんにく唐辛子を作っていまして。これをぬたにかけると味が引き締まってよりおいしくなりますので、ぜひ。

塩見:豚足にぬたと自家製のにんにく唐辛子をたっぷりつけて頬張ると、パンチのきいた辛みの後に、濃厚なぬたと豚足のうま味を味わえます。豚の脂をぬたが中和してくれるので、食べ終わった後は意外にもさっぱりとしています。

自家製のにんにく唐辛子があることで、味が引き締まり、辛みがプラスされたぬたの一面に触れることができました。

魚介類、野菜、お肉まで、ぬた一つでさまざまな味わいを堪能しました!

まとめ

大衆酒場「こいさご」で、簡単に作れる万能調味料ぬたについて教えてもらいました。

ぬたそのものの作り方は簡単ですから、家庭でもササッと作れる調味料として重宝しそうです。作り置きしておけば、お好みの食材を盛りつけて、ぬたをかけるだけ!

すっきり爽やかなのに、味噌のうま味がしっかりしていて、お酒を誘う味わいです。暑い季節にぴったりな酸味のある料理で、この夏を乗り切りたいですね!

「こいさご」は、大井町のメインの飲み屋街から少し離れた場所に位置していますが、それでも満席になることもある大衆酒場です。特に、ぬたは評判がよく、煮込みや揚げ物も、そのおいしさに定評があります。

料理はリーズナブルな価格で提供されており、飲んで食べても2,000円程度で楽しめる点も魅力的です。ぜひお気軽に「こいさご」を訪れて、おいしい料理と楽しい時間を堪能してみてください。それでは。

お店情報

大衆酒場こいさご大井町本店

住所:東京都品川区東大井6-1-7 ニックハイム大井町 1F
電話番号:090-6942-8182
営業時間:14:00〜23:00(LO 22:30)
定休日:水曜日、土曜日

書いた人:塩見なゆ

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酒場案内人(飲食・酒類専門ライター)。東京都杉並区・荻窪生まれ。 得意分野は街と酒。 新宿ゴールデン街に通ったお酒好きの両親を持つ。両親が飲んでいた瓶ビールに憧れて成長する。趣味からはじまった酒場めぐりは、次第に仕事になっていく。

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