これは今年デレステに追加された、歌詞がメチャメチャ負けヒロインみたいな曲である。
タイトルは「isosceles」、意味は等脚の~・二等辺の~。主に三角形とかの図形での形容詞として使われる。*1
今回の選定とは一ミリも関係ないし負けヒロインの曲としてキャッキャする方がおかしいが普通にいい曲なのでBGM代わりにお使いください。*2
負けヒロインは、進化する。
横から現れた運命の女に掻っ攫われる女。
先に告白したのに相手の心に入り込めなかった女。
他の女が多すぎて男の優しい笑顔が向けられずにもがき苦しむ女ーー。
《負けヒロイン》。
勝者たるヒロインの踏み台や影になりがちなサブヒロインで、意中の相手に対して特別な思いを持ち、それが敗れたときに滅びの美学を魅せる少女たち相手に統一された言葉が生まれ長い年月が経った。
過去2回ひどい記事を書いた自覚はある。言うまでもなく今回もひどくなった。
が、今年はそんな負けヒロインたちにも新たな進化があった。
これまでは滅びゆく定めの中でも、多くのヒロイン同士の戦いのステージには立てていた彼女たち。
だが時代が進むにつれ、意中の相手と早めに結ばれたり両片想いを育てるラブコメが増えた結果、負けヒロインは新たな形へと進化した。
既に意中の相手と結ばれている男に恋い焦がれてしまった、恋愛のバトルステージにすら立つことを許されなかった女である。
これ進化か?
この記事は、創作で好きになった女の多くが負ける筆者が今年(2023年)出会った、あるいは動きがあった作品にいた負けヒロインを始めとする強めの弱いヒロインたちを取り上げ、今年最も弱かったヒロインを主観で決める記事である。
記事の性質上、ノミネートされた理由である展開の紹介やあらすじなどを多分に含むためネタバレは多く存在しているし、そもそもこの記事に紹介された時点でひどい目に遭うことが確定してしまっている。そこは予めご了承ください。
これまでのクソザコの系譜はこちら。
また去年からの変更点として、
・ノミネートされたヒロインの目次部分は作品名だけに留め、誰かはそのパートでしかわからないようにする。
・選外を先に書く。
としている。
そのくらいしないといけないだろうなと考えた程度に今年は作品の核心寄りのネタバレがあった。気になる方は該当作の部分を飛ばしてください。
- 選外の少女たち
- 山田くんとLv.999の恋をする
- わたし、二番目の彼女でいいから。
- 政宗くんのリベンジ
- 経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。
- クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった
- さんかくのアステリズム
- 僕らの雨いろプロトコル
- 総評/このヒロインが弱い! 2023
選外の少女たち
犬塚日葵(男女の友情は成立する? (いや、しないっ!!))
年末年始の帰省のときに読んだ本に居た青髪系ヒロイン。
主人公と永遠の友情を誓ったが、主人公と自分の友人がいい感じになってる横で負けそうな女。
……なのだが、アニメ化企画が進んでることを知らずに1巻を買って、面白かったので続刊の情報を調べていたところアニメ化企画が進行していた。
自分が己に課しているゲッシュに「追う前にアニメ化が決まった作品はアニメが始まるまで追わない」というルールがあり、それに抵触するためこの先を読んでいないこと、
そして続刊のサブタイ的になんか勝ったっぽいから弱いなりに頑張って勝利を掴み取ったらしい感じがするので一旦今年は見送り。
そういうわけで続きは来年のアニメ放映待ちだが結構楽しみ。
関係ないけど読んでて脳内で鬼頭明里の声がしたのでCVは鬼頭明里でお願いします。
《愛娘》のグレーテ(スパイ教室)
スパイファミリーの次のクールに始まって1クール開けてスパイファミリーの二期の前に二期が終わったスパイ系アニメからは、変装の名手でありチームの頭脳役のヒロインであるグレーテをチョイス。CV:伊藤美来。*3
主人公の先生役であるクラウスがコンプレックスである自分の顔を見たときに色々察して「美しい」と極上の感想を伝えた結果落ちてしまった女で、任務の後に告白した結果「チームのみんなは家族のように見ているのでそういう関係にはなれない」と言われたのでお付き合いは果たせなかったヒロイン。
とはいえ好きな女がいるというフラれ方ではないので、告白の後もずっと好意の感情を向けているしそこそこアタックも仕掛けている。それでも靡かれないので生殺しに近い状況。あんまりすぎる。
本作、クラウスが仕事に真面目すぎるところもありスパイ活動中は報われることはなさそうだが、すべてが終わってスパイでなくなってからその感情に向き合う可能性がある。
現状明確にフラれたわけではないし、クラウス本人も嫌がっているわけでもなく、別の女とくっついているわけでもないので、今の生殺し状況はかわいそうだが明確に負けていないため今回はノミネート外。
小桜ハル(青のオーケストラ)
青いタイトルの青春系部活漫画というフローチャート4つ分くらいアオのハコに近い、それでいて向こうと同じくらい今アツい吹奏楽系作品からは、明確に勝ちそうな女のそばにいる昔馴染み系ヒロインをチョイス。
CV:佐藤未奈子。本作以外で名前を見たことがない人。
明確に勝ちそうな光の女である秋音律子の親友であり、想いを寄せている主人公の一(ハジメ)くんがかつてヴァイオリンを弾いていたときに、コンクールに落選した自分を慰めてくれてから意識するようになってしまった小動物系ヒロイン。
が、高校のオーケストラ部に共に入部してから話すようになって、この慰められた出来事を忘れていたしそもそも昔会ったことも覚えていないことを突きつけられた可哀想な女の子。
ただ、今年の女が揃いも揃って盛大に負けているため、特に告白して負けたわけではないし、自分のことを相手が忘れていただけだとパンチが弱いので今回は選外に。今年の女が弱すぎるのが悪い。
が、原作の方で「いつか夢が叶ったときには伝えたいことがある」と、一歩踏み出す可能性を見せている。
その間に秋音律子が勝負を決めそうなのでそのときにはたぶん終わりを迎えるのだろう。
ちなみに本作では僕は律子派。*4
選考には関係ないが、単純にストーリーがメチャメチャ面白い。
アニメでしかできないような楽器の上達の描写も素晴らしく、またアニメ2期も決まっていて今後にも期待できる作品。
今年の中ではかなり大当たりの作品だったのでアニメのリンクも貼っておく。
陽坂美都子(世界でいちばんNGな恋)
今年に入ってまた右肘の手術をして、働けないときにやっていたエロゲー「世界でいちばんNGな恋」。
恋愛弱者女性を描かせたら右に出ないことでおなじみ丸戸史明の往年の名作からは、メインヒロインであるため他の女のルートに入るたびに盛大にフラれるメインヒロイン、陽坂美都子。
ツンツンしているうちに惹かれていくが年齢的にアウト*5なので大人の女に掻っ攫われていく姿とそれでも想いを貫き挑み負ける姿がストーリーに重みと山場を与える彼女だが、今年の女の負けっぷりがひどすぎて数が多すぎるため、彼女には想いが結ばれる個人ルートが存在することを理由として今回は選外とした。今年の女のレベルが高いのが悪い。*6
黒川あかね(【推しの子】)
去年フラれたが同時期に盛大にフラれた女に話題を持っていかれたヒロイン。CV:石見舞菜香。*7
今年はフラれたあともアクアくんの側にいることを諦めず、アクアくんの映画に共演したり有馬かなにちょっかいをかけてたりルビーに発破をかけてたりと、本筋に大きく関わることはないが縁の下の力持ちみたいな感じになり、ヒロインというよりかは後方腕組みオタクみたいなポジションだった。
また本作は他の女の展開が凄い一年でもあった。主に存在強度が異様に高い幼馴染とヒロインレースの道のりをスターとかキラーでぶっ飛ばす妹が強すぎる。
一人だけアクアくんとのお付き合いの経験があるという立場にあるものの、彼女本人の恋愛的にはいいところもなく、悪いところもなく、という感じであった2023年。
今年はノミネートするほどの強烈な出来事が無かったので今年は選外。というかそもそもストーリー核心パートで負けヒロインをイジメる余裕は存在しない。
菜畑皐月(薫る花は凛と咲く )
去年書いたNLの記事にも書いたラブコメ作品。記事の本文中に「露骨な負けヒロインは居ないので親切設計でもある」と書いたのに現れてしまった露骨な負けヒロイン。
主人公である凛太郎の中学時代の同級生で、凛太郎の優しさを知っていたが髪を染めていた彼に対する周囲の良くない評判を気にして前に進むことができなかった結果、疎遠になって次に再会したとき意中の相手には女が居た、正しくBSS(僕が先に好きだったのに)を体現した女である。
かつては黒い髪のままで髪を染めていないしメガネも掛けていた、内気な少女だった彼女。
そんな自分を変えようと考えた結果高校デビューの際に髪を染めたのだが、凛太郎も彼女や友人などの大切な存在が他人に悪く見られるのを嫌がったため、中学時代に染めていた髪色を黒に戻していた。
その結果こんな感じで決して共に在ることができない対比的な姿となった。こんな酷いことあるか?
が、登場人物全てに光が満ち溢れているのがこの作品。
逆に自分が髪色を変えたことによって出来た友達に励まされて前を向くことが出来、無事にいい話で終わった。
ということで連載4話分で初恋の過去編と現在の決着が全部過ぎていった彼女。
ストーリー的には凛太郎の過去との決別のために演出したく用意されたであろう、本当に無から現れ崩れて終わった彼女の初恋だったが、彼女本人が強い心を持っていたため未来を向いた終わり方になっていたので選外とした。
兵頭あかり(アオのハコ)
アニメ化も決まった、今ジャンプで最もアツい青春系部活ラブストーリーでおなじみアオのハコ。
去年の暮れに蝶野雛が盛大に負けた後、大喜くんと千夏先輩は無事に結ばれ今に至るまでずっとイチャイチャしている。
そうして今年の秋に(作中内では)進級の春を迎えたときに現れた、女子バドミントン部に入部した若干ポン入り系後輩ヒロイン。
入部前から別の高校に通う兄から大喜くんのことを教えられ、(一方的に)知っているという縁と、先輩として後輩に指導した結果、大喜くんと仲のいい後輩というポジションに落ち着いた彼女。
まだ千夏先輩と付き合っていることを周囲には公表していないので、恋心を抱いて絶対勝てないジャンプラブコメ歴代最強の女に挑む可能性がある。
ちなみに現状は千夏先輩の嫉妬を煽るための存在になっている。
……が、可能性というだけであり、特に”気づく”ことが今のところないので今年はノミネートせず。
気付いて千夏先輩とバチバチにやりあう可能性もあるのだが、もしそうなったとしても相手はジャンプヒロイン最強の女なので勝てるわけがなく、そもそも大喜くんと仲のいい後輩はもう一人(他校のライバルの弟が)いるのでそっちとくっつく可能性がある。そっちとくっついてくれ。
では、本題に入ろう。
今年最初の敗北者は、梅雨空の下で涙を流していた。
山田くんとLv.999の恋をする
彼氏がネトゲで知り合った女性と浮気し、そのまま別れを告げられてしまうというサイアクな出来事に直面した女子大生の木之下茜。話を合わせるためにネトゲをはじめていた茜の元に残ったのは、彼氏との愛と共に育んでいたはずのキャラだけだった……。
ストレス発散のため、ネトゲの狩り場で暴れていた茜は、たまたま遭遇した同じギルドの「山田」に失恋の愚痴をこぼすものの、「興味はないすね」と、そっけなく返されてしまう。だが、キレイになって元彼を見返そうと参加したオフラインイベントで、再びその言葉を耳にする。
それが“山田”との、運命的な出会いだった――!
今年の春にアニメ化された、コミックGANMA原作の少女漫画系現代ラブコメアニメ。
そっけないを越えて対人に興味がなさすぎる男子高校生山田と、やっているネトゲのギルドメンバーであり偶然リアルで会ってしまった女子大生茜の出会いから結ばれる時までをアニメ化した作品。
この山田だが、女性を遠ざけている理由はちゃんと存在している。
そのあたりの事情を主人公である茜は知らず・気にせずに押しに押した結果、無事に二人は結ばれることとなった。絶食系男子は女性サイドから行かないと結ばれることは起こり得ないので。
だがしかし。
遠ざける理由の存在を知っていて、それを理解し、そうならないよう己を律し、それでもなお恋をしてしまったヒロインも存在した。
椿ゆかり。
片想いをするクール系メガネ同学年委員長キャラCV土屋李央*8という、性癖Lv.999の女である。こんな女が存在していいのか。
過去を知って、静かに語り合って、この人を好きになったらいつか壮大に傷付く日が来ると知った上で好きになってしまった。
そんな男に女の影が見えてしまった中で、彼女に対して小さな優しさを見せた山田に対し、彼女が取ってしまった行動。それはーー。
|◤ キャラクターPV
— TVアニメ「山田くんとLv999の恋をする」公式 (@yamada999_anime) 2023年6月17日
椿 ゆかり Ver 公開 ◢||
CV #土屋李央
TVアニメ「山田くんとLv999の恋をする」
6.24(土)24:30 最終話 ON AIR🎮https://t.co/5iCI4BeocS#山田999 pic.twitter.com/DuQ661y0g3
まえ
最終回を前に、滅びへと進んでしまった彼女の姿はとても美しかった。
本作、女性主人公である茜が初対面の印象が最悪だった山田へ少しずつ恋心を向けていく姿がとても良い。
またサブキャラたちの造形もよく、1ON1ラブコメで男に片想いしているサブキャラ女という、メタ読みの段階で滅びしかない展開が待っていた椿ゆかり以外ひどい目に遭うキャラもいないため、結構オススメな作品。
最後に落とす相手である絶食系男子の山田くんだが、定期的にひどいが部分部分ではしっかりと王子様をやっている。少女漫画的なものを求める方は是非ご覧あれ。
#山田999 pic.twitter.com/9vGGFq6GXu
— TVアニメ「山田くんとLv999の恋をする」公式 (@yamada999_anime) 2023年6月17日
それはそれとしてこの公式のツイートひどくない?
と、梅雨空の下でひどい目にあった椿ゆかりの存在の他、この夏はいろんな作品でひどいことが起こっていた。
たとえば、アオのハコは無事に二人が結ばれ蝶野雛の負けが本決まりした。
たとえば、選外でも書いた青のオーケストラでは好きな男に過去のことをすっかり忘れられていた。
たとえば、そばに居た相手の過去を知りメインヒロインとして”成った”ので相対的に負けが近づいた推しの子も居た。
たとえば、形式上の婚約者を渡すために、好いてしまった女に立ちふさがる男も居た。
いやコイツはなんか違うな……。*9
それはさておいて、そんな中で迎えた七夕。
大三角を刻む、お互いがお互いを愛する男女が会える唯一の日。
三つの角どころか五つの角を持つ最悪の星座が浮かび上がった。
わたし、二番目の彼女でいいから。
あれから二年。俺は逃げるように京都の大学へ進学し、鬱屈した生活を送っていた。
だけど二人の女の子、遠野あきらと宮前しおり。そして、こんな俺すら受け入れる友人のおかげで、毎日は徐々に色づき始める。この心地よい男女グループがいつまでも続くように。今度は絶対に恋に堕ちないように……。
それなのに。「逃げないでください、桐島さん! 私の気持ち、ずっと知ってたくせに!」
過去への悔恨と、新しい恋。狭間で揺れ動く波乱の大学生編、開幕。
次は、毎年恒例この世の終わりみたいなタイトルのライトノベル*10、「この男女関係がひどい!」「ずっとひどい方の二番目」でおなじみ、「わたし、二番目の彼女でいいから。」。
去年出た4巻で高校生編が終わり、今年出た5巻から大学生編が始まり新しい女二人が現れ、昔から居た女と合わせて最悪の五角関係を形成した。ちなみにこれからもっとひどくなる。
そのため、引用する表紙とリンク先も5巻となっている。ネタバレにはならないが昔の女がいない辺りで色々あったことを察してほしい。
そして本作で今年出た最も弱かったヒロイン、それはーー。
宮前しおり。(表紙の奥の方)
どう考えてもうまく行かない三角関係が予想通り破滅したあと、流石に地元に居れなくなった主人公であるカス桐島くんに惹かれてしまった、同学年の女である。
ちなみにあらすじで「逃げないでください」と言っているのはもうひとりのヒロイン(表紙の手前の方)。このレベルの女がもう一人出たのが大学生編。
桐島くんは過去を反省し、恋をしないようにしたが無理だったので次はちゃんと彼女を一人だけにして三角関係というものを作り上げないよう立ち回ったが、その桐島くんに彼女が出来たことを知った彼女は無理やり彼氏を作って吹っ切ろうとした。
……したところ、暴力を振るうタイプの結構悪い男に引っかかってしまった。
窮地に陥るしおり。
間一髪のところで桐島くんに救われた彼女は、その悪い記憶を上書きするため「一度だけ」と懇願し、桐島くんと一発ヤった。天下の電撃文庫で普通にセックスをするな。
一度だけ、と懇願して一晩だけ彼女にしてもらい、流れでセックスをしてラブホテルから出た二人。
しかし好いた男に抱かれた記憶も今の状況も諦めたくない。
そんな彼女が、桐島くんに願ったもう一つの願いはーー。
もう一つの願いと言ってもタイトル的にお察しだし過去も過去なのでまあアレなのだが、このライトノベルが最悪なところはこのシーンを過去の女二人も見ていたところ。
最悪と最悪が線を繋いで星座になっている本作、どう考えてもこれまでの流れ的にもう一人も次最悪なことになりそうだしそもそも過去の女二人もまだ火種燻ってるどころか今燃えてるので、きっと来年もひどいことになるのだろう。
というか今は勝ってる最後の一人も結構弱い寄りなのと、どう考えてもうまく行かない五角関係をしているので来年その一人がひどい目に遭うことが目に見えている。よっぽどのことがない限り来年はソイツがノミネートされるだろう。本当に地獄だよこの話。
そんな七夕を越え、今年はマジで長かった夏が始まり、夏が終わらないまま時期は9月の夏クール終わり。
一人の少女の恋も終わりを迎えた。
政宗くんのリベンジ
復讐するために、俺はこの町に帰ってきた!
8年前、美少女・安達垣愛姫にこっぴどくフラれたデブで冴えなかった少年・真壁政宗は、激ヤセし名字を変え、イケメンに変身して帰って来た。
そう、すべては残虐姫の異名を持つドSな彼女を惚れさせ、最高の形で振るという、復讐のために――。
この夏クールに6年越しで2クール目が放映された「政宗くんのリベンジR」。
6年の間で原作漫画の方は本編が完結し*11、アニメの方でも本編の完結まで描くことができ、割と全方面ハッピーなエンディングを迎え無事に放映も終了した。
ただしその幸せは負けヒロインの屍の上に築かれた幸せであった。
ということでここからはガッツリと作品の根幹・クライマックスのネタバレを含むため少しクッションを挟む。
物語のすれ違いの果てのネタバレやその元凶などの話もするので、可能な限りアニメか原作の漫画を見てから続きを読むことをおすすめする。
そうしてアニメ視聴者が6年越しに見た、涙を流す少女。
それはーー。
小岩井吉乃。(CV:水瀬いのり*12)
主人公である政宗くんの復讐対象である、ツンデレ暴君系ヒロイン安達垣愛姫に仕える毒舌系クールメイドであり、この物語がメチャクチャに拗れたすべての元凶みたいな女である。
8年前の己の過ちで性格がより歪んだ(元から歪んではいた)愛姫の性格矯正のために政宗の復讐に協力するも、その過程で政宗に恋い焦がれてしまい耐えられなくなった彼女はかつての過ちを政宗・愛姫に自白すると、政宗は8年の感情の行き先を失って燃え尽きるし愛姫は政宗の決意表明のためのメモ書きと合わさって自分の恋が報われないと思って自ら手を引くなど、始めと終わりのすれ違いの元凶になってしまった女。
ギリギリまで好意を明かすことなく影から想い、関係を拗れさせ、主のアシストで告白までしてその上で負けた姿は、誰が呼んだかアサシン系負けヒロイン。*13
とはいえ。
彼女の告白と、フラれたあとにかけた一言で政宗の感情の答えが出たことも事実。
ハッピーエンドの為に必要な犠牲ではあったし、ある種の報いみたいなところもあるのでその涙は無駄ではなかった。
全体の展開としては一度ならず二度もフラれた上で再度想いを伝えつつ、ついでにタイトル通りリベンジも達成する政宗の行動は真っすぐで、作品の始めから一貫していた8年間の想いを貫き通し、キッチリと丸く収めた本作。
アニメも物語面ではしっかりと作られていて視聴後のスッキリ度も高く、負けた原因もハッキリとしていたがそれはそれとしてダブルヒロインの片割れがここまで明確に負けることもそうそうない。
まあ本作に関してはこの男に惚れたお前が悪いよ小岩井吉乃。
夏の終わりのアサシンの襲撃の後、迎えた秋。
まるで示し合わせたかのように、冒頭で示した進化には見えない進化が各所で確認されはじめた。
そう。恋の戦いが始まる前にステージが終わってしまっている女たちの出現である。
姉への嫉妬とコンプレックスで狂った女、募らせていた思いが流れ星のように燃え尽きた女、自分の気持ちに気付いてないけどひどくなる可能性を秘めた女、そして気付いちゃったのでこの後絶対ひどくなる女。
この女たちが秋頃にまとめて現れた。
その内、流れ星のように燃え尽きた女*14、そしてまだ気付いていない女*15は今回は選外としたが、嫉妬とコンプレックスで狂った女と気付いちゃったので滅びる女たちの姿をここに記そう。
まずは狂った方から。
経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。
加島龍斗(リュート)は冴えない陰キャ男子、もちろん16年彼女ナシ。そんなリュートの憧れは、白河月愛(ルナ)。学年一の美少女ギャルで、恋愛経験も豊富。遠くから見ているだけで十分だと思っていたけれど……、なんと付き合うことに!? 恋愛経験ゼロの陰キャ男子と経験済みなギャル、住む世界が違いすぎる二人が織りなす凸凹だけど、ピュアでリアルでドキドキがつまった極上青春ラブストーリー。
この秋クールに放映していたアニメ「経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。」。
奥手で陰キャの主人公が罰ゲームでオタクにも優しいギャルに告白したところ、その時彼女がちょうどフリーだったのでお付き合いが始まり、そのままいい感じの関係になっていく話。
本作も1ON1のラブコメであり、相手のギャルとお付き合いするところから物語が始まるというお話。
そういうわけで本来であれば他のヒロインが割り込む余地がない話であるが、割り込もうとしたのでひどい事になったヒロインが現れた。
黒瀬海愛(まりあ)。(CV:古賀葵*16)
メインヒロインである月愛(るな)の双子の妹であり、かつて主人公である龍斗が初恋をし告白までしたが「お友達だと思っている」とフった女の子である。
誰からも愛される姉に嫉妬し、月愛に対する嫌がらせとして悪い噂を流したところ龍斗に止められ、自分の過去を彼に話していた最中、勢い余って階段から足を滑らせ……たところを龍斗に助けられて今度は逆に龍斗が好きになった彼女。
姉への復讐心と「本当に好きになった人に愛されるような女の子を目指すといい」と言い彼女を慰めた龍斗の言葉から、「龍斗が一番愛している女の子=姉である月愛になる」の数式を成り立たせ姉から彼氏を奪い取ろうとした。その理屈はおかしい。
双子入れ替わりトリックを用いてセックスを迫るも龍斗にバレ、事情説明をすると今度はそのシーンを隠し撮りされて噂が流され、姉と龍斗、そして自分たちの関係がギクシャクしてしまうのであった。
……まあやる時はやるタイプだった陰の男と、相手は陽の光に満ちたギャルだったのですぐにカップルの仲は修復されるも、今度は月愛の願いで龍斗が姉妹関係を修復しようとする中で、月愛は海愛の恋心を知り、再び彼らはギクシャクしていくーー。
という感じ。
特に好きでもない相手をフった後に恋するのはまあ人との関わりなんてそんなものなので仕方がないとはいえ、その想い人の慰めの言葉から連想された答えが最悪だった彼女。
そこで拒否され、龍斗に恋した状態から吹っ切れないまま姉妹関係の修復を開始された結果もう一回フられるという、テクニカルな二段攻撃を受けた。追い打ちが上手い。
最終的には綺麗に丸く収まったものの、1クールアニメの序盤から終盤までメインカップルの踏み台状態であり続けた彼女。
仕方がないとはいえ龍斗を過去に振っている*17し姉に対する嫌がらせで流したものが生々しい噂だったので、ある種因果応報とも言えなくはなかったが、それでもかわいそうなものはかわいそうであった。
続いて、このあと滅びる方。
クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった
顔見知りすらまともにいなかった俺・前原真樹に、初めてできた友だち・朝凪海。
男子から『クラスで2番目に可愛い』と噂され、天真爛漫なNo.1美少女・天海さんを面倒見良くフォローする朝凪さんは――
金曜日の放課後だけ、こっそり俺の家に遊びに来る。
映画にゲーム、漫画の趣味も合う彼女との楽しいひととき。
無邪気で甘えたがりな素顔は、普段のしっかり者の姿からは想像できないな。
「早く隣に座りなよー、一緒に漫画読むんだから」
「ここ俺のベッド……」
「今だけは私のベッドなの。ほら、おいで?」
距離近くないか、朝凪さん?日陰男子と2番目ヒロイン、等身大の“友だち”ラブコメ!
先日の今年分当たりのシェアリング記事でも紹介した、ヒロインが絶妙に面倒で重たいが主人公もそこそこに寄りかかっているから割れ鍋に綴じ蓋としか言えない男女のラブコメ小説、「クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった」。
書籍とWeb諸々ひっくるめてたぶん今年読んだ真っ当なラブコメで一番面白かった作品。
恋のライバルも居らず、運命の相手にめぐりあい結ばれたふたり。
やる時はやるが基本は弱い寄りの男、いつも引っ張るが男にだけは弱い女。
弱い者同士仲良くくっつき、甘くイチャイチャしすぎている日々を送る中、さらに弱い女が終わっているステージに立ってしまった。
ここから先、Web小説版の展開の話となる。
書籍版を追ってる方もなんとなく察しがついているとは思うが、一応ネタバレ注意。*18
そのヒロインの名は。
天海夕。(PVでのCV:鈴代紗弓*19)
表紙奥の金髪美少女であり、クラスで1番目に可愛い女の子である。
最強美少女なのだがあまりにも光り輝きすぎて親友である海(2番目の方)が嫉妬してしまうほどの彼女。
とあるきっかけから主人公である真樹と知り合った彼女は、優しい人だし仲良くしようと一歩踏み出した結果、親友である海の友達みたいな形でよくつるむようになった。
優しい人だからこそ、困っているときに助けてくれる。
日々を重ねて友達以上で親友未満のような存在になり、親友の彼氏になった彼に、ある出来事で救われた。
彼女の友達だから。自分の友人だから。
そういう理由であっても、その気持ちを向けてしまう。
だが自分の親友はそんな彼と絆を深め、縁を結び、そして自分の遥か先を進んでいた。
彼女の初恋は、親友の彼氏であった。
とまあこんな感じの展開になってしまったし、薄々こうなることは示唆されていたため勝手に「この後ひどいことになる方の2番目」と呼んでいたが、無事にひどいことになった。
本作、真樹は海が好き/海は真樹が好きでお互い片割れを失ったら大変なことになりそうなくらいには想い合ってるため他の女が恋愛的に入り込む余地は本当にない。
そして実際に想いを告げたわけではないが優しさに狂わされて真樹くんに抱きついてしまったので想いがバレて友人関係が破滅するのは時間の問題だしたぶん次章の問題。ここから入れる保険は存在しない。
次章の更新がいつかわからない*20*21が、次章で滅びの未来しか見えない彼女に救いはあるのか。ちなみに僕は石見舞菜香さんの影響も含めて海ちゃん派。
というかそもそも次章で決着がつくのか。もうちょっと長々とボコボコにされるかもしれない。
無事にひどくなった秋を終え、外は冷たくなり年の暮れが近付く中。
この記事書く時大きく参考にしたKOTYのように本ブログに書かれるような作品にも年末の魔物が現れた。それも二人。
姉と妹という相反する属性で現れた彼女たちは、冬の冷たい風と共に冷たくなりつつあった。
そんな二人を紹介していこう。
さんかくのアステリズム
とある病により、身体の成長が止まったまま眠り続けることになった高校生・東雲結弦。
七年経ってようやく目を覚ました彼が直面したのは、自身を置いて成長した周囲の姿だった。
両片思いだった幼馴染・天河千惺は七歳年上の教師へ。
子供だと思っていた妹分・天河希空は同い年のクラスメイトに。
七年という長い時間は結弦と千惺を遠く隔て、叶わぬ初恋を胸に抱き二人を見ていることしかできなかった希空にチャンスを与え……「わたしは兄さんのことが世界で一番好きです」
美しく成長した希空の告白をきっかけに、止まっていた三人の関係が形を変えて再び動き出す。
「たとえ、先生になってでも、あなたと一緒に高校生活を最後まで過ごしてみたかった。今度は一緒に卒業しましょう。ね、ユヅくん」
「兄さん、今はわたしがあなたと同い年の女の子なんだよ。姉さんを見るそのまなざしと同じ温度で、今のわたしをちゃんと見てよ」
これは、三角の形をした星のような恋の話。
※正確なタイトルは「さんかくのアステリズム 俺を置いて大人になった幼馴染の代わりに、隣にいるのは同い年になった妹分」。目次に入れるには少し長いのでサブタイを削った。
今年11月に出た電撃文庫の新作ライトノベル「さんかくのアステリズム」。
あらすじの時点で既にひどいことになりそうで、特設サイトのストーリー紹介1枚目で既に一回ひどいことになっていて、おまけに公式試し読みの19ページ目でひとつの終わりを迎えた序盤からアクセル全開で突き進むラブコメ作品である。
実際読むと、全編通して繋ぎのパン粉すら入っていない牛肉100%のハンバーグのような無駄なく肉厚なストーリー展開が非常に衝撃的で、絶え間ない展開の暴力と1巻の終わりに一巻の終わりとすべての始まりを告げて物語をロケットスタートさせた物語であった。
個人の感想だが今年読んだ真っ当じゃないラブコメの中で一番記憶に残る一冊。
ちなみに言うと最新刊が七夕に出たので勝手に七夕になぞらえて最悪の星座を浮かばせたこの世の終わりこと二番目彼女と違い、こちらは七夕の伝説がストーリーの根幹を成している作品。七夕ネタをもう一回擦るの、文章構成がヘタクソか?
織姫と彦星、そして織姫になれなかった女の子が七年の時を経てふたたび物語の針を刻む。
……というストーリーに現れた、ひとり目の年末の魔物。
天河千惺。
七年前に織姫になれた方の、幼馴染であり姉妹の姉である少女だ。
試し読みの時点で結ばれた彼女だが、その幸せな記憶は慢心を招いた。
七年の間に大人になった彼女は自己防衛のために友人に男よけの盾を願い、
七年間側から離れないよう、居場所を守り続けた。
そして七年後。
男よけの存在は想い人に捨てられたと思われ付け入る隙を与え、
守り続けた場所は七年前に敗北した妹との居場所になり
勝利していた彼女は、かつて対等でなかった妹と同じスタートラインに立ったのであった。
と、多少のすれ違いはあったものの、他の負けヒロインとは一線を画す前提条件として一度勝った少女というところがある。
しかし七年前に目の前で姉と想い人のキスシーンを見届けてしまったのに心が折れずに超ド級のリトライを果たした妹である希空の心が異常に強い為に始まった物語。あの終わった状況から巻き返しが出来た比較対象が悪いだけで姉はそこまで弱いわけでなく、相対的に見た結果弱い、というだけとも言えなくはない。
……言えなくはないが、それはそれとして
・妹のことを恋敵として見ている
・自分と彼のすれ違いを理解し解消しようとしている
・彼が七年の時の流れに置いていかれたと思っていることに気づく
と、どれか一つでも果たせていればここまでひどいことにならず、また自分の気持ちに素直になった瞬間が最悪のタイミングであったため、結果脳破壊が起こってしまったことは事実。アレもはやNTRだろ。
とはいえ、主人公である七年前の気持ちが残っていて勝ち筋自体は残っている。
あまりにも強すぎる妹を相手にしているものの、彼女も恋愛のリトライが出来るような心の強いやつなのか、その光景を見て想いが砕ける心の弱いやつなのかは続巻次第。
というか今年読んだライトノベルの1巻の中で一番衝撃的な終わり方をしたので続巻が出なかったらキレる。本当に楽しみにしているので早めに続きが出てほしい。
ちなみに僕は妹派。
では、もうひとりの年末の魔物の紹介に移ろう。
僕らの雨いろプロトコル
母と妹との3人で暮らす高校2年生・時野谷 瞬。
事故による父の死と、妹の怪我をきっかけに、熱中していたゲームを辞めて、
今はeスポーツカフェ「FOX ONE」で働いている。幼なじみのゲーム友達と付き合いながら、バイトと勉強に明け暮れる瞬だが、
突如、「FOX ONE」に膨大な額の借金があることが発覚する。
借金返済のため「ザクセリオン・チャンピオンシップ」で優勝し、
賞金獲得を目指す瞬たち一同。後ろめたい気持ちを抱えながら、
オンラインゲームの世界に再び飛び込んだ瞬の前に現れたのは、
かつて一緒にゲームをプレイしていた「ばくれつ君」だった。未だ見ぬ出会いと経験、そして激闘…
瞬は時に悩みながらも、仲間たちと歩みを進めていく。ゲームを通じて動きはじめる彼らの世界。
少年と家族。そして、仲間たちの物語──。
秋クールに放映され、ちょうど本記事を上げる日に最終回を終えたオリジナルアニメ「僕らの雨いろプロトコル」。
父の事故死・妹の後遺症が残るレベルの大怪我によって生活を支えるレベルでバイトと奨学金が貰えるくらいに学業を両立することになった主人公が、幼馴染の家が経営しているバイト先のeスポーツカフェの存続の危機を前に、かつて熱中していたが過去の事故の贖罪のため辞めることにしていたゲームを再び始めるというストーリーの青春群像劇である。
題材にしているeスポーツ部分の絵面が致命的にショボく*22中々話題に上らない作品ではあったが、この壮絶な人生を背負ってしまった主人公である瞬くんと、その周囲にいる世話焼きの幼馴染・想いが重い親友・想いが重い妹・想いが重い松岡禎丞の存在が作中ゲーム描写の悪い評判を覆い隠すほどのものすごい展開を見せ、無事に完結した本作。すごい無理やりだったけど。
想いの重たい連中の中に、この年最後の弱い女が居た。
時野谷美桜。(CV:麻倉もも*23)
父親が死んだときの事故の結果、歩くことができなくなった主人公の実妹である。この時点で設定が既にメチャクチャ重たい。
重くて脆くて弱い妹という自分の癖に強烈に突き刺さりすぎた存在だが、ストーリーでの存在感も強烈。
家族が自分のために足のリハビリ施設のパンフレットを見つけてくるも、兄から離れたくない彼女は施設のパンフレットを焼却。
さらに兄が自宅以外のところで汚して洗濯してもらった服から我が家(もしかしたら自分……?)の匂いがしなかったのでその服を着てマーキング。
さらにさらにこの歩行障害の理由が心因性のものであり、理由が兄にかまってもらえなくなってしまうのを恐れ、歩けないままだとかまってもらえるので心が足を動けなくしているという可能性が高いなど、他のヒロイン+松岡禎丞とは違うベクトルの重みを兄に向けていた彼女。向けすぎてて一瞬ヨスガノソラみたいになってた。
松岡禎丞に唆されて流石にヤバいと判断した兄と、それでも離れたくない妹。言い争いに発展し兄が発した言葉はーー。
これまでの恋愛的な弱さで選ばれたヒロインたちと違い、恋愛感情はないが実の兄が自分に向けていた感情を失うことを恐れた彼女。
人間性の部分で重さが段違いな彼女は、最後にはいい感じで締めて未来を向いて終われたものの、他のヒロインと比べて世界が違いすぎる弱さがそこにあった。
なんなら兄に彼女が出来たと知ったら恋愛的にも弱く出来そう。まあ1クールオリジナルアニメだからそんなことはしないと思うんだけど2期を見据えてそうなのがアレ。
繰り返すが売りにしたそうなゲーム部分を見ていると本当にスン……となった話ではあり、ヒロインと松岡禎丞が重たくなっていってギアがかかるのが少し遅めだった本作。
しかし重たい感情で崩れかけている人間模様やどうしようもできない問題にうまく折り合いをつける彼らの姿は、割と苦い青春の味がするが見ごたえのある作品だった。
最後が割と無理やりハッピーエンドにした感じがするのと一番回収しろよって言いたかった伏線を2期に持ち越したのかあの一瞬でわかりあえさせたのかで不満は残るが、個人的な話、結構面白かったとは思う。ゲーム部分の絵面はまあ置いといて。
とりあえず万人にはたぶん受けないがここまでの長文を読めるような人間には結構刺さると思うので、最後にリンクをもう一度貼ってこの項目を締めておく。
animestore.docomo.ne.jp
総評/このヒロインが弱い! 2023
ということで7人の弱いヒロインたち、通称七英雄が出揃った。一部はステージが始まる前に負けていたが。
そして今年の七英雄の最強(最弱)の少女、その少女はーー。
椿ゆかりである。
主観による決定なので、性癖だけでなく声優もクリティカルヒットしたことも理由の一つではあるが、
・明確に負けが決まっている(この後ひどくなるとかではなく完敗した)
・負けた理由として自分の”非”がそこまでない(動かなかった時点でノミネートされたヒロイン全員に非しかないのは置いといて)
このふたつが大きな理由に挙げられる。
椿ゆかりは、本来山田に恋をしないように/してしまっても好きの感情を胸に秘めていくつもりが漏れ出してしまったこと、山田本人の茜への感情を理解するためにその感情が使われてしまったこと、そこから明確にフラれてしまったこと、そして自分に非がないこと。
これらの要素が他の負けヒロインたちと違う唯一無二の悲壮感を出したことで、椿ゆかりが今年最弱の冠にふさわしいと判断した。
こうして、弱い女が本当に多い1年が幕を下ろした。自分でもこの記事がこんな長くなるなんて本当に思ってなかった。
だが今年が終わるだけでまだ負けヒロインの物語は終わらない。
七英雄・選外、どちらにもこの後苦難に満ちた展開が待っている少女が混ざっている。
それだけでない。人気が出てアニメ化が決まり、ひどいことになるシーンが絵で動く女もこれから現れる。
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— TVアニメ『負けヒロインが多すぎる!』公式 (@makeine_anime) 2023年12月14日
『負けヒロインが多すぎる!』
TVアニメ化決定!
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2024年 放送開始🎉
アニメ公式HP👉https://t.co/ghokE9x08a
アニメ化決定PV👉https://t.co/bxtwYr5U8W#マケイン pic.twitter.com/3sWOprS7Fy
ガガガ文庫が送る、負けヒロインに特化しすぎた作品のアニメ化が決まった。本当におめでとうございます。
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— アオのハコ【公式】@TVアニメ化決定! (@aonohako_PR) 2023年12月16日
TVアニメ『 #アオのハコ 』
ティザーPV公開🏸🏀
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『 毎朝一番に、会いたい人がいる⎯⎯⎯ 』
ティザーPVが解禁❗
各キャラのボイスも初公開✨ #アニハコ @telecom_anime pic.twitter.com/0diMfhsSyH
今ジャンプで最も心躍る青春ラブストーリーのアニメ化も決まった。こちらもおめでとうございます。
◩━━
— アオのハコ【公式】@TVアニメ化決定! (@aonohako_PR) 2023年12月16日
メインキャスト情報解禁③
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大喜の中学時代からの親友、
蝶野 雛役は #鬼頭明里 さんに決定!
鬼頭さんから届いたコメントをご紹介✨
#アオのハコ #アニハコ @kitoakari_1016 pic.twitter.com/HIPEWJZSwQ
蝶野雛は鬼頭明里の声がついた。
鬼頭明里・市ノ瀬加那・石原夏織で予想してるけど流石にこの辺は露骨すぎるから多分新しく負け癖がつく声優さんになると思う 声優に負け癖をつけるな
— とりにく (@toriniku_wing) 2023年11月19日
担当声優を当てるな。*24
来年からもまだまだ負けヒロインの戦いは終わらない。負けてるから終わってる言うな。
ということで応援していたり期待していたりする作品のアニメ化もお祝いできたということで、長くなったこの記事も締めよう。
年の終わりには少し早いが、これからひどい目に遭う少女たちに送れる言葉は今年もたったひとつ。
良いお年を。
*1:というかそれ以外に使い所がほとんどない。まあ台形でも使われてるけど
*2:たぶんこの二人だと負けるのは藤原肇っていう話を藤原肇担当の知人にしたらああー……って微妙に納得されたけど、それはそれとしてあらぬ疑いをかけてすみません。あと正直ちょっと好きになりました
*3:代表作:アイドルマスターミリオンライブで七尾百合子、五等分の花嫁の三玖
*5:JC3
*6:高いかこれ?
*7:代表作:お隣の天使様で真昼、FE風花雪月でイングリット
*8:代表作:令和で一番狂わされた女ことアイドルマスターシャイニーカラーズの樋口円香
*9:水星の魔女のグエル先輩。去年のシャディクみたく選外のオチで用意してたんだけど、今年のクソザコ対象女が多すぎて文章量の問題から紹介を切った。そのくらい今年はクソザコの年。クソザコの年ってなんだよ
*10:略してこの世の終わり
*11:今スピンオフも連載中
*12:代表作:リゼロのレム、五等分の花嫁の五月
*13:僕の造語じゃなくてどっかの感想記事で見た呼び方。爆笑したから僕も使わせてもらった
*14:選外にした菜畑皐月/薫る花は凛と咲く
*15:選外にした兵頭あかり/アオのハコ。もしかしたら戦わないかもしれないしそもそも気づくことがないかもしれない。マジで読めない
*16:代表作:かぐや様は告らせたいのかぐや、原神のパイモン
*18:こう書いている時点でもうバレてるとは思う
*19:代表作:ぼざろの虹夏、ぼく勉のうるか
*20:アニメ化企画進行中らしいからたぶん作者が忙しいので
*21:ゲッシュ的には気付かなかったからノーカン
*22:VALORANTみたいなゲームなのだがPS2時代くらいのCGの動き方をしている。アニメだからゲームの美麗さを求める必要はないと思うし、そういうものを取り上げるにはアニメだと結構限界があるとは思うので、ここがたぶん妥協のラインなんだとは理解してる
*23:代表作:アイドルマスターミリオンライブの箱崎星梨花、Charlotteの乙坂歩未(主人公の妹)
*24:後で確認したが鬼頭明里さんは言うほど負けヒロインをやっておらず、セイウンスカイのクソザコムーブに惑わされていたところがあったため、鬼頭明里さんに負け癖はついてなかったとも言える。今ついた。勝手に声優に負け癖をつけるな