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響灘の手が届く海にも越冬キスがいたのであの山陰でブン投げればその何倍もの釣果が手に入れられるのではないか、と勇んで出かけた。 目指すは油谷湾、この日は久しぶりの好い天気、それで日差しが清浄の海の底にしっかり当たって魚を喜ばしにかかる昼前を狙った。
正月の投げ始めに真冬の運河だったらここしかいない由利徹筋でスカタンをくらっていた。ここがダメなら響灘にはキスはいないとあきらめかけたけれど、やっぱり往生際が悪くて、ひょっとしたら他の深い海にひっそり暮らしているのではないかと探してみることにした。
懇意にしている電気屋にアンプの修理を頼んだ。ここはスピカ―からアンプまで自分の所で作っていて、近年の菌禍によるひきこもり需要でそこそこ高価なのが売れ出した。 それで修理とか部品の交換といった小さい仕事はなかなか引き受けてはくれないでいた。ところが前の修理の時一緒にその日獲れた魚、アジだったか、を持って行ってやったらたいそう喜んで、それで私に時間を割いてくれるようになったのである。
去年は、十月に油谷で楽しい釣りが出来ただけで九州の西の海は良くなかった。運河も良くなかった。 今年になって山陰が散々だったので振り子が戻るように西へ行った。巡り合わせでは西が良い番だ。なんの根拠もない判断だけれど。
山陰の、できれば長門あたりまで出かけたかったけれど風が強い。風は北から潮を巻き上げて強く吹くので山陰はどこの海も荒れているに違いない。それでやっぱり運河にした。安近短である。
糸を0.8に張り替えた。これから秋冬になるとキスが好むのは起伏のある深い海で、ホイホイ投げてスイスイ寄せるというわけにはいかない。それで0.6から一段強い0.8にした。 <…