下高井戸シネマ
4/08/2021
11/23/2020
11/21/2020
9/20/2010
ヤクザガール 二代目は10歳
「ニッポン」を描いたけったいな外国映画は古今星の数ほどあると思うけど、フジヤマ・ゲイシャ、とくれば次はやっぱりサムライ、もといヤクザ(…なのか?)。これボドロフの映画だったと知ったときの驚愕ったらなかった-、というのはともかくとして、そのヤクザ家業の跡取りが女の子っていうのは古くは邦画だと『セーラー服と機関銃』なんかありますけど、ここで2代目襲名するのは10歳の「ユリコ」ちゃん。
敵対する中田組との抗争で父母を亡くし山田組の組長たるおじいちゃんの元で大事に育てられてきた彼女の唯一の友だちはクマのぬいぐるみのミーシャだけ。そんなわけでユリコはなぜかロシア語を学んでペラペラになったんですが、ある日再び激化する抗争からかわいい孫を守ろうというおじいちゃんの意向でユリコは海外留学がてら疎開させられるんですけども、その飛行機が悪天候で不時着。実は飛行機搭乗時から後をつけていた敵の刺客から逃げるうちに、ユリコはひょんなことからリョーハというこれまたロシアでギャング団の親分の身代わりになって投獄されていたものの脱走してきた極道青年と出会い、ふたりの逃避行が始まる…という具合。
えっとーまず見てて困ったのが武道と極道が一緒くたにされてるとこで、ユリコのおじいちゃんとこでは組員がなんかしでかすと切腹が申しつけられちゃう。修行が空中浮遊とかね。日本人キャストとかたくさんいる中で誰かなんとか言ってあげられる人いなかったんだろか。まあコメディだし、んなことぐるぐる考えるだけ野暮かも知れないんですけども。
なんだか不思議なクストリッツァ風ごった煮カルチャーおバカネタをまぶしつつ、ユリコとリョーハの国籍・年齢を超えた友情とか、おじいちゃんとユリコの妙に感動的な再会場面など盛りだくさんの作品でした。1つ、リョーハがユリコに教えてた「ふたりで一緒に森に入ったのなら、出てくるときも一緒だ」というロシアの格言。劇中に何度も日本人は義理を大事にするーみたいなことが語られるのだけど、その辺に通じる言葉がロシアにもあるんだなあと思いました。
英題:A Yakuza's Daughter Never Cries 監督;セルゲイ・ボドロフ、グカ・オマローワ
出演:荒川ちか、六平直政、ヴァディム・ドロフェーエフ、新井弘文、ヴィクトル・スホルコフ
@したまちコメディ映画祭上映作品
2/18/2008
牡牛座 レーニンの肖像
昔同じタイトルで作品あったんじゃなかったっけと思っていたら2001年の旧作でした。なぜに今公開? やっぱし去年のカラマーゾフ・ブームとか効いているのでしょうかね。いくら西洋かぶれの自分でもこの辺のロシア近代史はあんましよく分かっていないので正直難解でした。だけど比喩がたくさん使われているんだろうなとは思いました。でも一緒に見ていたお客さんの中にはちゃんとセリフで笑ってる人がいて、かなり尊敬してしました。恐るべし。
これを見た1週間後くらいに教育テレビでそれこそカラマーゾフを新訳した亀山郁夫さんがロシアに渡り大統領選に絡めて文化人に話を聞くという番組があったんですが、そこでソクーロフが話してたロシア史の輪廻のようなことが興味深かったです。それみてから映画を観てたらもうちょっと理解度もちがったかも。
霞のかかったようなソクーロフのカメラはすごくきれい。
英題:Telets 監督:アレクサンドル・ソクーロフ
2/17/2008
蒼ざめた馬
一昨年フィルムセンターでのロシア・ソビエト映画祭で紹介された新作2本のうちの1作。『死という名の騎士』という原題で上映されていました。前回上映時のリーフレットによれば「実在したテロリストの自伝的小説が原作『 蒼ざめた馬』になっている」いうことで今回は劇中の詩からタイトルを取ったということですね。
テロリズムが横行した帝国時代のロシア近代史を描いたお話です。テロリストはいつの世もそうなのかもしれないけれど実行犯は理想に燃えたインテリやら貧しい農民の人々でそれらを操ってる幹部は操ってるだけなんだよなーと思ったり。ここでの主人公は活動する幹部ですが、とはいえ実行部隊がだれもいなくなったからって気がしないでもなく。映画として作りもしっかりしてるし緊迫感もあり、きちんとできてた作品でしたけどちゃんとした字幕で見たかった
英題:The Rider Named Death
監督:カレン・シャフナザーロフ 2004年制作
出演:アンドレイ・パニン、クセニヤ・ラポポルト、アルチョム・セマーキン、ロスチスラフ・ベルシャウエル、アナスタシア・マケヤワ、ドミトリー・ジュージェフ、ワレーリー・ストロジク、ワシーリー・ゾトフ
ロシア文化フェスティバル2006 IN JAPANロシア・ソビエト映画祭 にて上映
2006.7.4-7.30
6/03/2007
ロストロポーヴィチ 人生の祭典
こちらも鑑賞からだいぶ日が経ってしまったので簡単に。邦題のミスリーディングはよくありがちだけれどこの作品にしても然り。元々の原題は「Elegiya zhizni. Rostropovich. Vishnevskaya.」というわけでロストロポーヴィチさんだけにテーマを絞った作品ではありません。片や音楽家の家に生まれて幼い頃から天才チェロ奏者として脚光を浴びてきたロストロポーヴィチさんと、対照的に貧しい家に生まれ育ち祖母に育てられ苦労に苦労を重ねたたき上げでディーバの称号を手にした元ソプラノ歌手の奥様ガリーナ・ヴィシネフスカヤさんに均等に光を当てて夫婦の長い人生の歩みを紹介したドキュメンタリーです。
別にソクーロフが撮らなくても、という印象がなきにしもあらずでしたが(とはいえソクーロフだけで全編撮っているわけでなく何人かいるような感じじゃなかったっけ)、ウィーンでの新作に真摯に取り組むスラヴァさん、自らが主催するオペラ学院で指導を続けるガリーナさんの姿は印象的でありました。どちらかといえばお茶目なスラヴァさんもよいのですが、人生酸いも甘いもかみ分けてきたわ的雰囲気の漂うガリーナさんのことをもっとよく知りたいなと思ったり。あとはこうやって世界の巨匠たる演奏家と共に芸術を生み出し、またそれをかの国の巨匠映画監督の手によって納められた映像の中に小澤さんがいるということが、単純に誇らしいことだなあと思いました。読みにくい字幕を修正してN●Kで放映したらもう一度みたい一作。
12/05/2006
太陽
現人神ヒロヒトの人間宣言を描いた物語として大きな話題を呼んでいたソクーロフの作品。カメラの中に広がる鉄壁防空壕の中で鈍く輝く金屏風の光に、くすんだ空の下 焦土と化した東京に、マッカーサーとの会談のため皇居をあとにする彼の車の背後でコゥとなくタンチョウヅルにロシア映画の空気を感じたり。
密室の中でわたしたちが目にするのは言葉も発せず口をもごもごとさせながら前を見据え、ときどき「あっそ」と答えるどこか記憶の中にある姿。その姿も生態も家族を思う心も、思考も何一つ他の人々と変わらないはずなのに神の子孫としてあがめ奉られ、多くの国民が彼のために命を投げ出して。そのまわりの人々と違っている唯一の点があるとするなら誰も計り知れない、というかはかり知ることすら畏れ多い、といえば聞こえはよいけれど意識して放置されていた深すぎる苦悩を抱えていたことか。「天皇でいるのも大変なことなんですよ」本当にそう話されたかどうかは分からないけれど、そんな風に思われたことは何度もあったでしょうね。
チョコレートと学者さんの場面や皇后ながこさんとの「あっそう」合戦などなどクスクス笑える場面もありました。でも別に自分は右だ左だというのではないけれど、米兵があの庭に入ってきてツルに絡んだり、彼をチャーリー呼ばわりする場面はなんとなくいたたまれなくて、それってやっぱ自分が日本人だからでしょうかね。
@銀座シネパトス
8/04/2006
宇宙を夢見て
1950年代後半のソ連。港町のレストランでコックをしている「子馬」というあだ名を持つ男が、ある日体育館でボクシングにやってきた男に目をとめる。男のどことなくただ者ではない雰囲気に「子馬」は興味を抱き、日常でも彼につきまとうようになる。やがて「子馬」と親しくするようになったその男はゲルマンと名乗り、まもなく宇宙へ行くのだと語る。何が起きても備えられるように常日頃からボクシングで体を鍛え、真冬の海を泳ぐのだと。母と2人で暮らし、レストランのウェイトレスと恋仲で平凡な生活を送ってきた「子馬」が自分の知らなかった世界に触れることで、心の中に少しずつ変化が生じていく。
タイトルを目にして宇宙飛行士さんの話なのかしら、と思って観に行ったのだけれど、「宇宙」とはたしかに当時アメリカと開発競争でしのぎを削っていた(といいつつ月面着陸までは随分とソ連の方がリードしていたのは『ライトスタッフ』なんかでもおなじみですね)未知なる空、宇宙のことではあるのだけれど、自由な世界の意図の方が大きかったような気がしました。古い体制や西側文化から人民を遠ざけるために行われていた人民同士の監視など、がんじがらめの日常からの逃れようと計画的に進めているゲルマン。今度宇宙船に乗るから体を鍛えて英語も勉強しているというのは全部亡命のためなのだろうけれど、そんな彼の言葉を「子馬」は真に受けて信じる一方で、彼もそれまで疑いもしなかった生活、この先 普通に彼女と結婚して、一緒に母親を養って、と多くを望まない型にはまった生活をしていていいのかな、と考えるようになる。成長と変化の物語といえばそう。
ゲルマンが姿を消すあたりというか中盤から終盤で、話の流れが不意に前後しているのか、字幕で意味を追い切れない部分があってちょっとモヤモヤ釈然としない部分があるのだけれど、それでも故郷を離れてモスクワに旅立つ「子馬」が列車で偶然に出会うガガーリンの右の靴ひものエピソードはトーンが輝いて見えました。
あとなんといっても圧倒的だったのが冬の海。また冒頭の靄がかかった街並みの映には息を呑むほど美しかった。あれはほかのどこでもないロシアの映像なんだろうな、と感激しました。
原題:Kosmos kak predchuvstvie(英題:Dreaming of Space)
監督:アレクセイ・ウチーチェリ 2005年製作 ロシア映画
出演:エヴゲーニー・ミローノフ、エヴゲーニー・ツィガーノフ
ロシア文化フェスティバル2006 IN JAPAN ロシア・ソビエト映画祭 @NFC
2006.7.4~7.30(鑑賞日7/22)
8/02/2006
サクリファイス
これは再見です。たぶん最初に観た時の方が今回よりもいろいろ吸収できたというか衝撃が大きかった気がするし、圧倒された気がします。劇中で何が起こっているのか、はっきり画で見せないで伝わってくるこの世の最後の時が近づいているという、底知れぬ恐怖のようなものとか、映し出されるキリストの画とか観た時にもっと敏感にいろんなことを感じたような気がする。今回はちょっと途中で落ちかけて、そんな自分にちょっとガッカリ。主人公が神との契約を行ったその前後、一体どちらが現世でどちらが夢なのか、きちんと細かくみたかったなーと反省しきり。もう1回続けてみたかったなー。
8/28/2005
野獣たちのバラード
1965年に作られた、第二次大戦のナチスの様子、というかヒトラー政権時のドイツやファシスト党の様子を綴ったロシアのドキュメンタリー作品。お宅にもスターリンいたじゃないの、というのはおいといてヒトラーの政権がどのように誕生し終わっていったか、ナチの宣伝用につくられた数々のプロパガンタPRフィルムや当時の記録映像で紹介されます。ナチの洗脳/軍部の指令を受けてドイツ軍が行った残虐破壊行為もさることながら、カリスマ的指導者の誕生に熱狂心酔するドイツの国民の様がみていて痛い。というか徹底したデザインポーズ/様式美で人々の心をつかんでいったヒトラーの術は彼の思想以上に悪魔的ともいえるかも。宣伝上手いもの。
しかしムッソリーニの演説の様子というのは初めてみたかも知れないけど不謹慎とはいえかなり笑えました。あんなパフォーマンスみせられたら、ぜったいこの人ウソくさーと信用なくしそうな気もしますけども。
鑑賞したのは宇野重吉がナレーションを務めた吹替版でしたけれど、邦題の「バラード」というのが公開時(71年頃?)のレトロな雰囲気漂います。内容はちっともバラードっぽくないんですが…
監督:ミハイル・ロンム 1965年製作
@ソビエト映画回顧展05 三百人劇場
6/27/2004
ベアーズ・キス
シベリアの森林で母熊を殺されそのまま猟師の手元に置かれていた小熊は、育ての親と動物を仕入れにやってきたサーカス団の少女ローラの目にとまる。やがてサーカスに飼われることになった小熊はミーシャと名付けられてローラの愛情を一身に受けてかわいがられていたが、やがてなんと夜ごと人間の青年に姿を変えるようになりローラと恋に落ちる。サーカス団を離れ大道芸人としてヨーロッパの町を転々とするローラと仲間たち。たどり着いたスペインの町である夜、彼女に下心を抱いて襲いかかった仲間の一人をミーシャは一撃で殺してしまう。人間の命を奪ってしまったミーシャはもう二度と人間の姿に戻ることはできない、そんなミーシャを生まれ故郷のに返そうとローラはシベリアへ向けて車を走らせるが…
お話はちょっと違うけれど「レディーホーク」を思い出しました。天涯孤独のローラとミーシャ。なんとなく設定的にも子供の頃によく憧れていたような素朴で美しいファンタジーでした。わたしもああいう熊男くんに守ってほしい。
この作品、奇しくも熊男くんことミーシャを演じたボドロフJr.の遺作になってしまいまして…(涙)。ここ数年のボドロフ・シニアの作品に出演したほか、初監督作の「Sisters」でも高い評価を得ていた彼は本作完成後の2002年9月に自らの新作用にロケ地視察の最中だったロシア南部の山岳で雪崩に飲み込まれ、依然見つかっていません。そんなこともあってロードショーの時には心情的にツラくて観に行けなかったのもあるのですが、やっぱり最後の森へかけていく熊さんの映像は涙なしにはみられませんでした。今頃彼の魂も熊さんに宿ってシベリアの山を駈けているのかな。
原題:BEAR'S KISS 監督:セルゲイ・ボドロフ 2002年製作
出演:レベッカ・リリエベリ、セルゲイ・ボドロフ Jr.
2/05/2004
ミトン
近所のお友だちたちを見て「わたしも子犬がほしいなぁ」と思っている女の子。そんな時アパートの下の部屋で子犬ちゃんが生まれ女の子はよろこんでその子をもらってきます。でも目の前でさっそくおもらしした子犬ちゃんを見てママは「返してきなさい」と叱ります。しょんぼり子犬を返してきた女の子が自分の手編みの赤いミトン手袋を子犬に見立てて遊んでいるとアラアラ不思議!ミトンはいつのまにか赤い子犬に変身していたのでした…。
女の子なら(男の子でも?)お人形やぬいぐるみをついつい世話してはお母さんごっことかした記憶のある方は少なからずいらっしゃるんじゃないかと思うんですが、そんな「ごっこ」系の遊びをしているうちにそれが本物になってくれたならそんなすごい魔法ってないでしょう。そんな子どもの頃の夢が叶ってしまうような素敵な映画です。変身したミトンのわんちゃんのかわいいことといったらも〜あまりの愛くるしさに涙がチョチョぎれるほど。わたしもあんなミトンがほしかったな。冬の寒さでカサついた心がほっこりあったかくなるような短編作品です。
監督は「チェブラーシカ」も大人気のR・カチャーノフ。この方は傑作の評価も高いソ連アニメーション「雪の女王」や「イワンの子馬」などのアートディレクターをされていて「話の話」などで知られるユーリ・ノルシュテインのお師匠にあたる方なのだそう。知りませんでした。今回の「ミトン」の上映ではほかに「レター」「ママ」といった70年代の作品が上映されていますが、こちらも登場する子どものお母さんがたのファッションや部屋の装飾などがなかなかモダンというかキッチュで目を引かれました。
(@ユーロスペース)
監督:ロマン・カチャーノフ (パペット・アニメーション) '67年制作
2/22/2003
エルミタージュ幻想
「日々は静かに発酵し」などでしられるソクーロフ監督の新作。現代人の「私」がふと目覚めると、目にしたのはロシアのエルミタージュで開かれる舞踏会にいそいそと出かける人々の群。人々に紛れて宮殿の中に入り込んだ「私」はフランス人と思われる男と共に美しい絵画や調度品の並ぶ宮殿の中をさまよいながら、エカテリーナ2世やニコライ1世、悲劇的な最期を遂げるニコライ2世とその家族らをかいま見るという時空を越えたファンタジーのような世界を体験する。
見所は絢爛豪華な宮殿と美術品。あとは最後のほうででてくる大舞踏会の場面はたしかにヴィスコンティの「山猫」の場面を彷彿とさせるような華麗な場面。舞踏会を終えた人々の波から「私」が最後に行き着いた先が海というのがなかなか感慨深かったです。ロシアが冬でも凍ることのない「不凍港」を手にしたとき、古き良き時代は終焉を迎えたということなのでしょうか。
約90分の上映がすべてワンカットでされているというと「ホントかよ」と勘ぐりたくもなりますが、一応本当にワンカット。ハイビジョン撮影も効果的でした。教育テレビでもう1回観たいかも。
(東京FILMeX上映作品)
原題:Russian Ark 監督:アレクサンドル・ソクーロフ
出演:ワレリー・ゲルキエフ
11/04/2002
コーカサスの虜
チェチェンで捕虜になった若い兵士と彼を取り巻く村人との交流の物語。主役を演じるのは監督の息子さん、S・ボドロフJr.ですが、なかなかの美形。最近は映画製作も始めました。捕虜仲間を演じるO・メンシコフがとてもよい味を出してました。('97)
Prisoner of the Mountains ('96) *****
Dir : セルゲイ・ボドロフ / Staring : セルゲイ・ボドロフJr.、オレグ・メンシコフ
8/01/2002
黒い瞳
金持ちの嫁さんに尻に敷かれた結婚生活を長年送ってきた旦那が、旅先の保養地で子犬を連れた美しいロシア人女性の人妻に一目惚れ。追いかけてアタックを仕掛けてようやく口説き落とす。彼女のためにも、そして何より自分の人生をやり直すためすべてを投げ出そうと決心した旦那は「迎えに来るから待っていておくれ」という言葉を残し、嫁との生活にケリをつけるべく実家に帰って行くのですが…。
原作はチェーホフの「犬を連れた奥さん」。男ってそんなもんよね、と思わなくもないんだけど憎めないマストロヤンニの演技が素晴らしい美しい作品。あとから「ひまわり」を観て思ったのだけれど、後日譚というかもうひとつの結末、という感じでしたね。あちらでは煮え切らないなーと思ったマストロヤンニ分する男性も、ここでなら許せたりして。('88)
Dir : ニキータ・ミハルコフ / Staring : マルチェロ・マストロヤンニ、シルヴァーナ・マンガーノ、エレナ・ソフォノヴァ
5/13/2002
フルスタリヨフ、車を!
タイトルの「フルスタリヨフ、車を!」とはスターリンの末期の言葉とのこと。これの何がすごいって、そのわけのわからなさかもしれません。何かね、ぜんぜんわかんなかった。私が見たのは試写の英語字幕版だったのだけど、観ていた他の人々も目が点になってました。訳の分からない映画はたいてい途中で仕事も忘れて爆睡してしまうのが常ですが、あまりにも訳分からなすぎて客人の目を釘付けにするところが、この映画のすごさかもしれません。スミマセン。
もう1回みたらなんかすっきりするだろうかw
原題:Xpustaleb, Mawihu ! 監督:アレクセイ・ゲルマン ('98) (@@)
出演:ユーリー・アレクセーヴィッチ・ツリロ
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