新しいラジカセのボディーを得たロボットが忘れられないあの曲のテープを再生するとき、「セプテンバー」は永遠の友情のアンセムになる。繰り返されフェードアウトしていくホーンセクションのエンディングのように、ちょっと物悲しさを秘めつつも大切な思い出として心のなかに沁みていく。
(アニメーション)
映画やライブほか 観たものあれこれの記録
去年と全く同じことを書くようでアレだけど後半3か月ほぼ仕事しかしてなかったので映画はカナシすぎるほど観ていない。よって同じく去年残った映画10本、新旧問わず順不同で
・枯れ葉 ・デューン 砂の惑星 PART TWOライブは
・ブルーノ・マーズ(ちょうど1年前だ、、)
・クイーン+アダム・ランバート
・エリック・セラ
・レッチリ
・サミー・ヘイガー
と5本でかけたの、どれもよかった。
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今年はすでに、rockin'on sonicの1日目にでかけたんだけどこれがとっても楽しいフェスだった!といいつつ諸事情でPULP最後まで観られなかったのが非常に残念(涙)。
こんなに楽しいなら夏フェスにも行ってみたいけど、当然だけどメンツや気象や観客含めた環境の快適度によるところが大きいと思う。お正月ってのも良し悪しでたぶん主催者にも収入面とか観客が足を運ぶのもちょっとキビシいところもないわけじゃないだろうけれど、内容的にはとてもよかったし、満足度も高いフェスだったと思うので、来年もぜひ続けてほしい。
という感じで新年からライブ脳で、年越し仕事が続いてたけどかなり気分は上がったというか、ご機嫌回復にはなったのであった。この調子で八方塞がりに負けない、いい年になりますように。
でもこんなに楽しい生音に浸りながらもふと想い馳せることをやめられなかったのはエディのこと、かなやっぱり。開演直前の場内BGMで突然「Dreams」が流れたときの盛り上がりにギターソロのパートで場内のボルテージが「うぉーーー!」っと一段上がったときマジ泣きそうに。そして本編Panama(←サミーはデイヴ時代の曲で一番好きと言っていた)のあとにいきなりきた「5150」のイントロでボロボロ涙がこぼれてしまった。わたし、エディを観たのは最後の来日公演の2013年(メンツはベースでウルフィーが参加したVHファミリー&デイヴ)だけなのでその時のセットリストにはサミー時代の曲は入っていなかったからね。後期の曲ではこれのギターが一番好きだし、うん、聴きたかったなあと。それからサミーが舞台袖に下がってマイケルが Ain't Talkin' bout Loveをフルで歌ったんだけど、例のHey! Hey! Hey!の合いの手で For Eddie!(エディに届くように!と理解)って叫んでて、これにはまたボロ泣きした。あとでSNSにスタッフさんのミキサー機材にエディの写真を貼ってあるのが投稿されてたのを見て帰宅後も泣いてしまったよ。サミーは今日のステージはCeleblationといってたけれど、30年近くぶりにやってきた日本でいろんな意味のCeleblationの場を設けてくれたのかもしれない。
そんな具合で何度も涙腺が緩んてしまったのだけれど(って最近こんなことばっかりだ)とにかく、導入Dreamsから客出しのLove Walks Inまでとてもとても大満足だった一夜。サミーはテキーラのプロデュースも手掛けているらしく、なるほどどおりで飲みまくってたはずだわーと納得だったけれど、お酒はほどほどに楽しみつつも、ずっと元気で盟友のマイケルと一緒に活動を続けていってほしい。
2024.9.23 @有明アリーナ
昨年の東京国際映画祭で同映画祭での初上映から24年ぶりに4Kデシタルリマスター版が上映されたのに続き、嬉しい劇場でのリバイバル上映。
2002年のワールドカップ開催に向け南北の融和の機運に湧くソウルで、多発する要人暗殺の犯人と目される北朝鮮の女スナイパーを情報機関捜査員チームが追う。やがて北朝鮮の特殊部隊による大掛かりなテロ事件が計画されていることが判明し、ソウルに潜入した部隊と捜査チームとの攻防が始まる。
それまでのコリアン・ムービーのイメージを完全に変えたと言っていい、アクション娯楽大作。というか、テレビが冬ソナなら映画の韓流火付け役はこれだと断言しても過言ではないだろう。 映画祭での上映時には最初から最後まで大わらわもしたけれど大盛況&その後の興行でも大ヒット。南北の分断をベースに友情、アクション、そして悲恋のドラマに最後までぐいぐい観せられる。クライマックスに登場する南北のサッカー親善試合のシーンは韓国VS中国の親善試合の模様を使用しているそうな。
なんてことを以前書いたけど、今回見直して改めて今の韓国映画ブームの原点だろうなと思った次第。今回のパンフレットに公開時の宣伝担当さんが書いていたけれど、それまでの韓国映画で入ってきている作品といえば硬めのシリアスドラマやちょいエロス路線売りみたいなものが多かった。映画祭でもアン・ソンギの歴史ドラマとか少し前のコンペに入ってたり「シュリ」ロードショー公開時の2000年にはポン・ジュノやホン・サンスの初期作品もコンペなどで上映されるようになっていったけど、あの当時ここまで大掛かりな、ハリウッド映画並のアクション大作ってものすごく新鮮だったし、手放しで興奮した記憶がある。役者さんたちは言わずもがなの今や韓国の映画界を代表する名優揃い。手に汗握ったり、ぐっと来るような展開があったり、様々な要素がぎゅっと詰まっていて、やっぱ面白いよなと初見時にもまして楽しめた大スクリーン再見だった。
長い間権利関係がクリアにならずにリバイバルも難しかったというけれど、こうしてまた観られるようになって本当によかった!
原題:쉬리(英題:Shiri) 監督:カン・ジェギュ 1999年製作
出演:ハン・ソッキュ、キム・ユンジン、ソン・ガンホ、チェ・ミンシク、パク・ヨンウ、ファン・ジョンミン
2024.9.17再見 @グランドシネマサンシャイン池袋
1999年 第12回東京国際映画祭, 2023年第36回東京国際映画祭上映作品
1978年にローマでおきたアルド・モーロ誘拐殺人事件をモーロ自身と妻、党で親しくつきあっていた内務大臣、ローマ法王、そして誘拐を引き起こした赤い旅団の女性闘士と多面的な視点から6話構成で描き出した作品。
ベロッキオのモーロ事件を描いた作品というとマヤ・サンサ演じる旅団の女性闘士の目線から描かれた、開放されたモーロの散歩というファンタジックな演出も印象的だった「夜よ、こんにちは」があったけれど、今回ものっけからそれに近い。幽閉から開放されたモーロの病室をアンドレオッティ、ザッカニーニ、そしてコッシーガという政権の主要人物が訪ねベッドを覗き込む前で、モーロは涙を浮かべ「これでもう党のあらゆる役職より身を引くのだ」とモノローグで語られる。以降時計の針を戻し、内閣の発足前から誘拐、各々がモーロ救出へ向けて尽力は尽くすものの、何かしらの忖度や突き抜けられない壁が横たわり、事を進められずうやむやにすまされていく様子が描かれる。そのやり取りを通じ、最終章でモーロが幽閉先に目隠しをして連れてこられた神父に感情を吐露するシーンを目撃した後、繰り返される冒頭のセリフはずいぶん意味合いが違って聞こえてくる。イタリア社会にとっては壮大な徒労に終わってしまったと言ってもいい、悔やんでも悔やみきれない悔恨なのだろうなと。
そんな自国の現代史の闇を力強く描ききれる映画作家、演じる役者たちの存在はとても眩しく見える。
原題:Esterno Notte 監督:マルコ・ベロッキオ 2022年製作
出演:ファブリッツィオ・ジフーニ、ファウスト・ルッソ・アレージ、マルゲリータ・ブイ、トニ・セルヴィッロ、ダニエラ・マラ
2023.5.7 イタリア映画祭2023(映画祭タイトル「夜のロケーション」)
2024.8.28 @Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下 再見