石川県内の被爆者でつくる団体「石川県原爆被災者友の会」(金沢市)が高齢化が進む中、31日で閉会する。戦後77年、戦争を知らない世代が多数を占める中、原爆の悲惨さをどう伝えていくか。平和運動に取り組む県内の2人に取材した。【井手千夏】
大田健志さん「試行錯誤しながら」
被爆者からの聞き取りをもとにした紙芝居作りに取り組む県保険医協会職員の大田健志さん(30)=金沢市=は、被爆者の祖父母がいるわけでも、被爆地出身でもない。周囲は50歳以上が多い。それでも「我々は被爆者と触れ合える最後の世代」と平和運動に奮闘する。
大田さんが「核」に興味を持ったのは金沢大2年だった2012年。東日本大震災による東京電力福島第1原発事故(11年3月)の避難者との交流会に参加し、餅つきや木工作りに笑顔で取り組む裏で、故郷を追われて苦しむ人々について考えさせられた。
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