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「舌をかんで死のうか…」 仲間の絆で生きる力もらったラガーマン

チームメートらとマスターズ花園の試合を見つめる和歌山工高OBの広野昇さん(手前)=東大阪市花園ラグビー場で2024年10月13日午後2時53分、石川裕士撮影
チームメートらとマスターズ花園の試合を見つめる和歌山工高OBの広野昇さん(手前)=東大阪市花園ラグビー場で2024年10月13日午後2時53分、石川裕士撮影

 ラグビーに青春をささげた人の心を再び熱くした。10月に東大阪市花園ラグビー場で行われた40歳以上の元高校ラグビー選手が出場する交流大会「マスターズ花園」。競技に打ち込んでいた高校3年の時に事故で車椅子生活になりながらも仲間から生きる力をもらった選手や、終戦から間もなく裸足で土のグラウンドを駆け回った選手がいた。年齢を重ねても楕円(だえん)球を追い続ける特別な思いに迫った。

 マスターズ花園は高校ラグビーの盛り上げなどに貢献しようと2022年に始まった。3回目を迎えた今年は18チームが憧れのグラウンドで熱戦を繰り広げ、年齢を感じさせないプレーを披露した。

試合中に頸椎損傷

 和歌山工高ベンチには車椅子に乗ったユニホーム姿の男性がいた。57歳のOB広野昇さん(和歌山市)だ。「やっぱり、花園はいいですよね」。秋晴れの陽光が差し込むグラウンドで、チームメートたちを温かなまなざしで見つめた。

 広野さんは花園に憧れた高校生ラガーマンの一人だった。高校からラグビーを始め、身長180センチほどの大柄な体を生かしたフォワード(FW)としてプレーした。高校2年で出場した全国高校大会は控え選手だったが、開会式で花園の土を踏んだ。試合での出番はなかったが、「来年こそはレギュラーで戻ってくる」と決意した。

 だが、高校3年の夏前に試合で事故が起きた。キックオフ直後、ボールを取りに行こうとした際、…

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