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「写真どおりの髪型じゃない!」美容師に“無料にしろ”と主張する女性客が沈黙したまさかの理由

「これって、営業妨害じゃない?」

「シャンプー台から戻ってきたお客さんが、女性客に『Kさん(女性客の名前)ですよね?』と声をかけたのです。そして、『もしかしてまた、写真どおりの髪型じゃないとか言ってる?』と言いました。そして、『これって、営業妨害じゃない?』とも続けたのです」 さらに、「この前は、A店で同じクレームをつけましたよね?」「実はここ、A店と同じグループなんですよ」と言ったのだ。その話の流れで、茉奈さんはハッとしたという。そのお客は、A店からカット技術や接客などを抜き打ち視察にやってくるスタッフだったのだ。 「A店が本社兼運営元になるのですが、私が働いている店とは店舗名が異なっていますし、大々的にグループ店舗だとも公表していません。告知は店舗ごとにSNSだけでおこなっていたため、女性客はグループ店だということを知らなかったのです

客側も事前にすり合わせが大事

 本来は身分を明かさずに退店する視察スタッフが間に入ってくれたことで、状況は一変。動揺をみせた女性客に視察スタッフは「Kさん、ほかの美容室でも同じようなクレームつけていません?」「他店の知り合い美容師にも、聞いてみましょうか?」と一気に畳みかけた。 「すると女性客は無言になり、『そんなことはないけど、今日はまぁ、払います』と立席し、バツが悪そうに帰っていきました。この件以降、『まったくいっしょにはならないかもしれませんが大丈夫ですか?』など先に確認し、誤解や過度な期待を与えないようにしています」  それでも、「感覚のズレなどによる不満なのか悪質クレームなのか判別しにくく、対応に悩むこともあります」とも話してくれた。お互いが嫌な気持ちにならないよう、ときには私たち客側も事前に希望を伝え、応じてもらえる範囲などすり合わせておくことも大事かもしれない。 <TEXT/山内良子>
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意
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