恋愛・結婚

年収2000万円サラリーマンが妻子も家も仕事も捨てた…人生の真理に到達?

「自分らしく生きていきたい」は単なるワガママなのか

不倫

写真はイメージ

「好きな人がいるんだ。お互いに別の人生を歩むことを考えよう」と妻に言い、家を出て1年。年収2000万円のエリートサラリーマンの田中充氏(仮名・48歳)は、“本気で愛している”恋人が毎日のように通うアパートで一人暮らしをしていた。2人いる子どもは思春期真っ盛り。私立校に通い、今も、これからも教育費が山のようにかかる。そんな時期になぜ……という疑問がわく。 「20年近い結婚生活の中で、価値観が大きくズレてしまったことが1番大きいですね。とはいえ、家族に対する責任はあるし、家族を犠牲にしちゃいけないから、経済的には責任を持ち、別居前とは変わらない生活を保障しています。だから自分自身の生活は質素になりました。でも、今の方が満足度は高いです」  田中さんが現在付き合う彼女、亜希子さん(仮名)と出会ったのは約2年前。既婚者合コンを手がけるLOVERSのディスコナイトの日だった。その会場で彼女は誰よりも美しく、魅力的に見えたという。 「タイプだと思い、自分から声をかけました。私も彼女も友達と来ていたので、4人で別の場所で飲みなおすことになり、そのまま、3次会、4次会と流れ、気づけば明け方。そして2人きり。さて、どうしようかと言いつつも、当然ホテルへ……そんな流れで付き合いが始まりました」  田中さんにとって浮気は初めてではなかった。既婚者合コンで出会った人妻と軽い付き合いをしたこともあった。けれども、なぜ、彼女だけに本気になったのだろうか。 「これまで出会った女性の中で1番きれいな人だと思います。いつもニコニコしていて優しいところも好きですね」とのろける。だが、もちろんそんな表面的なことだけで、恋愛にのめり込むわけがない。若くして結婚した過去を持つ彼女の離婚の理由が壮絶なDVだったこと、シングルマザーとして3人の子供を育てあげてきた苦労人だったことも、田中さんの気持ちを惹きつけた。  だが、決して不幸な過去に同情したのではないという。「この人と一緒の人生なら、自分らしく生きていける」と感じるようになっていったから……というのが田中さんが惚れ込んだ理由だ。

人生観の変わる出来事で自分を見つめ直した

 田中さんが亜希子さんとの出会いから遡ること数年。田中さんには「人生そのもの」や「なぜ働いているのか」などを根本から考えさせられる出来事が起きた。 「よく刑務所に1年間入ったら人生観変わるって言いません? それくらい大きな出来事が起きたんですよ。業務上のことなので詳しく言えないのですが……。その時の仕事仲間の何人かは離婚し、会社を辞め、鬱になり自殺をした者も……。みんな人生観が変わっちゃったんでしょうね」  田中さんはその出来事をきっかけに、「このまま人生を送っていっていいのだろうか」「自分に素直に生きていきたい。人生をやり直したい」と思い詰めるようになっていったという。 「中年の思春期がやってきちゃったんですよね」と語る田中さん。そして出した結論がこれだ。 「今後、20年も生きないのであれば、やりたいことをやって、本当に好きな人と一緒に生きていきたい、我慢して生きるのはやめようと思ったんです」
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積み重なった妻とのズレ

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フリーライター。性風俗、女性問題、金融犯罪などを中心に執筆。未婚で1児を出産後、結婚。3児の母。愛人に走る女性をルポした『副業愛人』など著書多数。女性のお金や生活事情に関するルポ、詐欺事件を多く扱う。性とお金に対する欲望と向き合う人間をフィールドワークし、取材執筆を続けている。日本プロダクション協会の監事も勤めている

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