第2回マストロヤンニと植木等 女優・浜美枝をつくった幸運な出会い
《1960年に俳優デビュー。同じころにデビューしたのが田村まゆみ(奈巳)さんと星由里子さん。3人の新人俳優は「スリーペット」と命名される》
俳優・ライフコーディネーターの浜美枝さんが半生を振り返る連載「出会って、学んで、輝いて」。全4回の2回目です。
2人とは映画「サラリーガール読本 お転婆(てんば)社員」(60年6月公開)で共演、バスケットボールの撮影もあったりして楽しかった。私にとってはライバルというよりは同期の仲間のような存在でした。それにしても「ペット」なんて、ひどい名前。60年前はさほど気になりませんでしたが、今なら大問題ですね。
でも、東宝そのものは雰囲気のいい会社でしたので、とても楽しかった。食堂でごはんを食べた後、敷地の中にある噴水の周りで俳優仲間やスタッフたちみんなでおしゃべりを楽しんだ。肩をきっと張って大股で歩く原節子さんが私のあこがれでした。
《60年秋のキネマ旬報の「各社新進男女優の展望」の中に、松竹の岩下志麻さんや日活の吉永小百合さん、東映の三田佳子さんとともに取り上げられている》
「庶民的な健康さが魅力」というようなことが書かれていますが、お嬢さん的なスターが目立つ東宝の中では異色だったかもしれません。女優になりたくてなったわけではないので、何か違和感があった。撮影中は笑顔でも、カットがかかれば、つまらなそうにしている。可愛げのない新人女優だったと思いますよ。
《そんな時に画家の岩田専太郎(1901~74)に出会う。美人画が有名で、昭和の挿絵の第一人者として知られる》
知り合いの新聞記者から岩田…