摂食障害で旅立ったはるかさん 託された記者が思う「やせたい私」

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山内深紗子
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取材考記 くらし報道部・山内深紗子

 食べることを拒否する、あるいは過食嘔吐(おうと)することで生きづらさから一時逃げる――。このことを、生きる支えにしている心の病に向き合った女性たちと家族の声を、6月に連載「『やせたい私』が嫌い―摂食障害のリアル―」でお届けしました。多くの反響を頂いたことに、心から感謝を申し上げたいです。

 それに応えることになるかは、分かりませんが、私にできることとして、この連載がなぜ生まれたのか、どんな思いで書かせていただいたのかをお伝えします。

出会いは、栗原はるみさんの喪失体験を綴った記事

 始まりは、はるかさんのお母さんから頂いたお手紙でした。

 2年前、最愛の夫をみとった料理家の栗原はるみさんの記事を送り出しました。

 「ひとり娘を看取(みと)ったばかりです。はるみさんのお言葉が心に沁(し)みました」

 多くの反響を頂いた中に、15歳のはるかさんを摂食障害で亡くされたお母様からのお手紙もありました。

 気にかかって仕方ない内容でした。間もなくご自宅に伺うと、闘病についてお話をしてくださいました。壮絶な内容に言葉を失いました。

 ダイエットと無縁な女性は少…

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この記事を書いた人
山内深紗子
デジタル企画報道部|言論サイトRe:Ron
専門・関心分野
子どもの貧困・虐待・がん・レジリエンス