第3回信じた「合格率80%」 娘の中学受験、涙して気づいた悔しさの原因

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高浜行人
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 埼玉県に住む50代女性は、いま大学生の次女が小4になる直前、大手中学受験塾に入れた。

 4学年上の長女も中学受験をし、難関校として知られる東京都内の「女子御三家」のうち1校に通っていた。

 入塾後、次女は順調に成績を伸ばした。第1志望校は、有名私立大の系属校。「大学受験をしなくて良いから」と女性が勧めた。

 小6の後半に受けた志望校別の模試は3回。うち入試直前を含む2回で合格可能性が「80%」だった。得意だった算数の偏差値は80を超えた。模試の成績表には「油断せず努力を積み重ねていけばほぼ間違いなく合格」と書かれていた。

 次女は2月1日、第1志望校を受験。その日の午後、女性と次女は同校の問題冊子を携えて塾へ行った。応対した講師は、冊子に転記された次女の解答を見て、満足そうに言った。

 「合格体験記に書く内容を考えておいて」

 翌2日。女性は、午前中に第2志望校を受験した次女を連れ、会社員の夫と3人で、第1志望校の合格発表に向かった。

 ところが、結果が張り出された掲示板には、次女の受験番号はなかった。

 「間違ってんじゃないの」。女性は信じられず、掲示板を何度も見返した。周囲で学習塾が合格者を集めた写真を撮り始め、いたたまれずにその場を離れた。

 次女が不合格となり、女性は苦しみます。そこで女性がとった行動とは。記事の後半では、受験と切り離すことができない不合格のリスクと、それに対する備えについても取り上げます。

 次女は淡々とした様子だった…

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この記事を書いた人
高浜行人
東京社会部|教育班キャップ
専門・関心分野
学校教育、受験、教育行政