避難指示が遅れ犠牲拡大か 警報システムも動かず? ハワイ山火事

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ニューヨーク=中井大助
【動画】ハワイの大規模な山火事の様子。観光地ラハイナでは多くの建物が焼失した=ロイター
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 ハワイのマウイ島が大規模な山火事に見舞われ、少なくとも55人が命を落とした。犠牲者はさらに増えると伝えられている。火は強風にあおられて急速に市街地へ広がり、避難の指示が十分に行き渡らなかったとみられている。

 マウイ市のフェイスブックやホームページによると、8日に複数の山火事が発生。このうちの一つは午前6時37分、ラハイナ近郊の海岸から2キロあまり離れた場所で確認され、付近の住民に対して避難命令が出された。

 午前9時55分に、消防隊は「火災は100%鎮火された」といったん発表した。このころ避難所には2人しかいなかったという。しかし、鎮火は完全でなかった。

 マウイ市は午後4時45分、火災が再び広がり、避難も行っているとしたうえで、ラハイナなどがあるマウイ西部については「避難命令が出ている場合を除き、待機するように」と投稿した。

 一方、この頃にはラハイナの中心部にも火が迫っていたとみられる。ラハイナ在住の男性はAP通信に「煙の臭いがして、初めて火災に気づいた」と話した。周辺は停電し、携帯電話網もダウンしていたため、情報も伝わりにくかったという。

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この記事を書いた人
中井大助
アメリカ総局長
専門・関心分野
アメリカの社会、政治、文化