第3回性加害の認識に立てず 鈍感だった新聞 ジャニーズ依存深めたテレビ
滝沢文那 中沢絢乃 平岡春人 照井琢見
「性加害認める」「被害者の救済は」――。ジャニーズ事務所が、故ジャニー喜多川氏による性加害を認めて謝罪した7日の会見を、テレビ局はそんなテロップと共に時間を割いて伝えた。
調査会社のニホンモニターの調べでは、この日地上波では36番組が報道し、時間にして計18時間4分13秒に上った。新聞も翌朝1面で大きく扱った。
だが、マスメディアがこの問題を積極的に報じたのは極めて最近の話だ。事務所が設置した再発防止特別チームが8月29日に公表した報告書には「マスメディアの沈黙」という項目があり、こんな記載がある。
「テレビ局をはじめとするマスメディア側としても、事務所が日本でトップのエンターテインメント企業であり、性加害を報道すると、タレントを自社の番組に出演させたり、雑誌に掲載したりできなくなるとの危惧から、報道するのを控えていたと考えられる」
1999年から2000年に…
ジャニー喜多川氏の性加害問題
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