藤井聡太八冠誕生 現地で目撃した棋士たち「こういう負けはつらい」

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村瀬信也
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 将棋界で初めて8タイトル独占が果たされた第71期王座戦五番勝負(日本経済新聞社主催)の第4局。藤井聡太名人・竜王(21)が劇的な逆転勝ちで王座のタイトルを奪取すると、現地大盤解説会の会場は拍手で湧いた。大勝負の解説と聞き手を務めたのは、関西の棋士や女流棋士たち。偉業を目の当たりにした彼らは何を感じたのか。

 京都市のウェスティン都ホテル京都。定員180人の解説会はファンで満員だった。

 「もう『詰むか詰まないか』を考えなければいけません。ただ、後手(藤井)の方が手がわかりやすくなりましたね」

 11日午後8時20分過ぎ、地元京都出身の西田拓也五段(32)が大盤の前でそう述べると、室田伊緒女流二段(34)がうなずいた。

 午前9時に始まった対局は中盤以降、4連覇中の永瀬拓矢王座(31)がリードする展開に。しかし、西田の言葉は、藤井の粘り強い指し手が実を結びつつあることを意味していた。これは八冠達成か――。

午後8時46分の123手目。形勢が大きく変わったあの瞬間、大盤解説会場にいた村瀬信也記者が、その場にいた棋士たちの話を通して振り返ります。

 だが、しばらく前から1分将…

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