「相手が信号無視」訴え届かず ナイジェリアの男性がかけた逆転判決
鈴木優香
片側4車線の国道。ナイジェリア国籍の男性(53)は交差点の右折レーンで車のハンドルを握っていた。
信号が赤に変わった。対向車線の車が止まろうとする。視線を右斜めの横断歩道に移し、車を動かし始めた。
その時だ。対向車線の車と車の間をすり抜け、バイクが突然飛び出してきた。よけきれず、自分の車のバンパーに衝突した。
直後、このバイクの男性と話すと、ぷんと酒の匂いがした気がした。110番するようお願いしたが、男性は警察に通報せずに去ってしまった。自分の車にドライブレコーダーはついておらず、やむなく自分も現場を後にした。
信号無視のバイクに当て逃げされた――はずが、罪に問われたのは自分だった。ナイジェリアの男性の訴えは当初、警察の捜査に考慮されませんでした。裁判に「ジャスティス」をかけた男性の法廷闘争の結果は。
数日後、自身の携帯電話に警察から電話がかかってきた。来日25年の男性は日本語も多少話せたため、「信号無視の飲酒運転のバイクに当て逃げされた」と3、4時間かけて説明した。だが結局、過失運転致傷罪と道路交通法違反(報告義務)の罪に問われたのは、男性だった。
略式起訴され30万円の罰金 こんなはずでは
記者は今春から福岡地裁で始…