米国の教育界にインド人の波 「何事にも卓越を」先輩エリートの激励

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ボルティモア=石原孝
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 米東部ボルティモア。中心部から少し離れると、緑色の芝生が映えるジョンズ・ホプキンス大学の校舎が見えてくる。

 登校してきたアスマー・ハミダリさん(22)に声をかけると、昨年7月にインド北部の大学を卒業し、ここの大学院に進学してきたばかりだという。

 米国を選んだ理由を尋ねると、「世界的に名の知れた大学だし、電気情報工学の最先端を学びたかったんだ」と語った。インドの同級生の多くも全米各地で学んでいるという。

 当然ながら、米国留学は費用がかさむ。

 その点については「一時的には出費が増えるけど、奨学金で学費の多くはカバーできるし、米国には巨大な市場も雇用もある。投資のリターンはこの国に来た方が大きい」と笑った。

 米国の国際教育研究所によると、2022年度に米国に留学した海外からの学生約105万人のうち、インド人学生は過去最多となる26万8923人を記録。前年比で35%も伸びた。

 最も多い中国人学生の約29万人にも迫っている。中国人留学生は前年比0・2%減で、遠からずインド学生数が上回るとみられている。ちなみに日本人学生の数は約1万6千人だ。

 同大学のデベシュ・カプール教授は「中国人学生は米国の大学に進学して卒業後は母国に戻る割合が多い。一方のインド人学生は大学院から進学し、より良い給与を求めて米国に残って就職するケースが多い」と指摘する。

競争くぐり抜けた「トップオブトップ」

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この記事を書いた人
石原孝
ニューデリー支局長|南アジア担当特派員
専門・関心分野
アジアやアフリカの新興国・途上国の情勢