「弔い選の雰囲気、かけらもない」 重鎮不在、きしむ屈指の自民王国
菅原普 垣花昌弘 石川和彦
全国屈指の「自民党王国」が、激しいきしみをあげている。自民政治を形作った重鎮を多く輩出してきた島根県。事実上の与野党一騎打ちとなる見通しの衆院島根1区補選(4月28日投開票)を控え、地元議員らはかつてない苦境に立たされている。自民が「政治とカネ」の問題で大きく揺らぐなか、現地で何が起きているのか。
「大変憤りを感じている。政治資金を法律に沿って、適法に処理するのは当たり前。自民党として大きく反省すべきことだ」
3月上旬、松江市内の公民館で開かれた自民の集会。補選に立候補を予定する自民新顔で元財務省中国財務局長の錦織功政氏(54)は、沈痛な面持ちでこう自民を批判した。
ただ、約100人が入れる座敷に集まった聴衆は半分ほど。演説後、錦織氏への質問が呼びかけられても手を挙げる人は皆無だった。
あいさつに立った自民の松江市議は、思わず漏らした。
「今思うと、(錦織氏は)無…