内部告発者を守り切れない公益通報制度 法改正で「報復」に歯止めを

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聞き手・石川智也
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 ビッグモーターやトヨタグループなどで、内部通報がきっかけとなり企業の不正が明るみに出る事例が相次いでいる。だが、過去の同様の「告発」事案では、義憤に駆られ声をあげた人は少なからず、組織から「報復」を受けてきた。告発者をどう守り、社会の自浄作用をどう働かせたらよいのだろうか。2020年に公益通報者保護法が改正されるにあたり、消費者庁内閣府の専門委員を務めた林尚美弁護士に、課題を聞いた。

企業の通報漏洩や報復措置に罰則なし

 企業や役所の不正を内部告発した人を守る公益通報者保護法は、食品偽装表示や自動車のリコール隠しなどを受け、2004年に制定されました。当初から実効性の低さや保護対象の狭さが指摘され、ようやく20年に改正されましたが、まだ60点程度の内容です。

 従業員300人超の事業者に…

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この記事を書いた人
石川智也
オピニオン編集部
専門・関心分野
リベラリズム、立憲主義、メディア学、ジャーナリズム論
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    能條桃子
    (NOYOUTHNOJAPAN代表)
    2024年6月6日6時0分 投稿
    【視点】

    風通しの良い職場、「おかしい」ことが起きた時に「おかしい」と当たり前に言える会社であれば、きっと現在問題になっているようなことは起きていないと思います。 ガバナンスの強化が求められていますが、これはハード面だけでなく、ハード面の変更による職

    …続きを読む