「国立大、門戸狭めてはならない」学費値上げ、識者が抱く懸念

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聞き手・増谷文生
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 東大の授業料値上げの動きや、慶応義塾の塾長による「授業料を150万円に」との提言などで、にわかに国立大の授業料が注目されている。長く東大で教え、学生に対する経済支援策に詳しい小林雅之・桜美林大特任教授(東大名誉教授)に、現状をどのように見ているのか聞きました。

      ◇

 世界の大学と競い合っていくためには、教育・研究の高度化が欠かせない。国際化やデジタル化、少人数クラスやアクティブラーニングの充実など、文系・理系を問わないテーマも多い。

記事の後半では、他の国立大に及ぼす影響や、国立大と私立大のミッションの違いなどについても語っていただきます。

教育・研究費増大 「東大の判断 やむをえない」 だが……

 このため大学の運営には、慶…

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この記事を書いた人
増谷文生
論説委員|教育担当
専門・関心分野
教育(主に大学)、運輸
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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2024年6月24日7時56分 投稿
    【視点】

    記事の中で最も重要なことは2点。国立大学には少ない経済的負担で高等教育を受ける機会を全国各地で提供するというミッションがあること、日本は大学への公財政支出が少なすぎることである。 この2つの狭間で、現在の国立大学は苦しんでいる。1つめのミッ

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  • commentatorHeader
    西田亮介
    (社会学者・日本大学危機管理学部教授)
    2024年6月24日9時6分 投稿
    【視点】

    国立大学、公立大学、私立大学で適切な役割分担が必要で、そもそも国立大学の授業料値上げは運営費交付金カットと世界ランキング向上が同時に要請される歪な状況ゆえである。もともと国立大学においては授業料収入の占める割合は私立大学ほど高くはないから、

    …続きを読む