当てはまらない「子なし」の私 子育て支援拡充競争に募るもどかしさ
寺島笑花 小川聡仁
年上の夫の好きなところは、趣味が合うところだ。休日は城めぐりをしたり、下町の居酒屋をハシゴしたり。
東京23区内に住む女性(46)はそんな何げない日常に、幸せを感じる。4年前、42歳で結婚した。だが、同時にざらついた思いも抱えている。
「多様性が叫ばれている時代なのに。子どもがいない幸せを認めたくない人が一定数いるんだなと感じています」
20代の頃から結婚願望はあったが、仕事や趣味を優先してきた。出版社でのアルバイトから25歳で独立。フリーで雑誌の編集やライター業務を受けるようになった。30代半ばまではがむしゃらに仕事に打ち込み、たまの休みで海外旅行を楽しんだ。
漠然とした不安、浮かんだ「結婚」の二文字
「結婚」の2文字が頭にちらつくようになったのは、36歳の頃。周りの友人が続々と結婚し、独身なのは会社で管理職に就くなど「キャリア重視に振り切っている」と思える人がほとんど。不安定なフリーランスとして働き続ける自分の将来が、漠然と怖くなった。
結婚相談所を掛け持ちで利用…