第1回自民との距離めぐり混迷の維新 馬場氏と吉村氏の先鋭化する路線対立
小林圭 野平悠一
6月26日、国会内にある会議室の空気は張り詰めていた。日本維新の会の馬場伸幸代表ら、国会議員7人が見つめていたのはオンラインの画面。そこには、共同代表の吉村洋文・大阪府知事の姿が映っていた。非公開だが、出席者によると応酬の口火を切ったのは吉村氏だった。
「(大阪・関西)万博やIR(カジノを含む統合型リゾート)は国家のためにやっている。自民党のためでないはずだ」
自民に気を使わず対決姿勢をもっと鮮明にすべきだと迫った。これに馬場氏が気色ばんだ。
「自民と真っ向からケンカしたら邪魔されるだけ。『官邸に行って首相と会えるのは当たり前』だとは思わないで欲しい」。維新が推し進めてきた万博やIRを実現させるうえで、政府と完全に対決するわけにはいかないと主張したのだ。
応酬はさらに続く…