75歳からの資産運用 NISAなら「守り」を重視、「出口」も意識
「資産運用を始めるのに遅すぎることはない」。資産運用の相談を受け、提案をするリーファス社長の西崎努さんは、そう考えています。まずはNISA(少額投資非課税制度)が選択肢になるとのこと。そして、75歳ならキーワードは「守り」と「出口」だといいます。西崎さんに具体的な方法を語ってもらいました。
銀行に預けても追いつかない
75歳では投資というよりも、資産を守るために、その一部を運用に移す。この感覚で取り組むのがいいでしょう。資産を「増やす」ことよりも「守り」を重視します。
最近の経済状況から説明しましょう。インフレと円安です。インフレでは、商品やサービスに対してお金の価値が下がる。だけど普通預金の金利はメガバンク3行で0.02%。全国の消費者物価指数(総合)は6月、前年同月と比べて2.8%上がったから、銀行に預けても物価上昇に追いつかない計算ですね。
円安は、米ドルなどの外貨に対して円の価値が下がること。インフレと合わせて考えてみましょう。日本円を現金や銀行預金として持っていると、価値が下がります。インフレや円安でも資産を守るには、株や投資信託を含めて運用するのが有効だと言えるのです。
資産を守るのに、まずはNISAの活用を検討してはいかがでしょう。運用する資産の配当・分配金や、売った際の利益に課税されない制度です。通常は税金が約20%。今年1月に拡充され、個別企業の株などが対象の「成長投資枠」と、「長期」や「分散」に適した一定の投信が対象の「つみたて投資枠」を同時に使えます。合計で年360万円までと、枠も大きくなりました。期間は無制限で、最大1800万円まで。NISAで買った株や投信を売れば、その分の枠を再利用できます。
十分な時間と言える
「長期」や「分散」は値動き…