金メダリストに負け、悔しいと思えた 16歳張本美和はトモを追う

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鈴木健輔
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 試合前、イヤホンで韓国の女性グループの曲を聴き、壁に向かって踊り出す。パリ五輪卓球日本女子で最年少の16歳、張本美和(木下グループ)だ。

 そのリズム感に周囲の大人は「うまい!」とうなる。団体戦で鍵を握る彼女にとって、リラックスするためのルーティンだという。

 立ち向かう相手が大きくなるほど、緊張と集中力は高まる。

 仙台市出身。2歳で卓球を始め、初タイトルは小学1年のとき。同年代の全国大会を制した。同時に、張本智和(智和企画)の妹であることが取り沙汰された。

 5歳上の兄は、ジュニアの頃から世代トップを走る日本のエース。

 家では「トモ」「ミワ」と呼び合い、幼い頃は一つしかないゲーム機をめぐって口げんかもした。卓球では活躍すれば褒めてくれる。兄も試合中なのに、同じ会場の自分の試合を気にしてくれていることもあった。

 同じ選手としてはずっと「目…

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