過疎進む山あいの資料館、たどり着いた無人開館 持続可能な運営模索
岐阜県飛驒市の山間部にある飛驒みやがわ考古民俗館が今春から「無人開館」している。人手不足に悩むなか、市は設備を遠隔操作し、管理人が不在でも自由に見学ができるようにした。今夏には、所蔵品を国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)のデータベースで公開するための覚書も結び、持続可能な館の運営と活用を模索している。
飛驒みやがわ考古民俗館は1995年、富山県境に近い旧宮川村に開館した。
国の重要有形民俗文化財「宮川及び周辺地域の積雪期用具」を含む江戸時代~現代の民俗資料1万6千点、旧石器~縄文時代の石器や土器など考古資料4万点を所蔵する。
考古学ファンには縄文時代の石棒の展示でも知られる。ただ、飛驒市中心部から車で40分ほどかかり、豪雪に見舞われる冬季は閉鎖される。
貴重な資料 未来に継承するために
近年の開館日は年間30日程度。市は開館日を増やそうと、昨秋に、職員らが詰めないで見学者を迎える「無人開館」をテスト。今年4月の開館当初から年120日程度の「無人開館」を導入し、春の大型連休や8月半ばなど30日程度を有人で開館することにした。
無人開館は全国でも珍しい取り組みという。
市は運転免許証かマイナンバ…
- 【視点】
日本全国の,特に農山漁村に位置する地域は「平成の大合併前」の市町村単位で地元の民俗資料を集めた「資料館」なるものがたくさん設置されてきた。しかし残念ながら「蒐集しただけ」になっており,研究の上での活用も,ましてや資料館に訪れる人々に「魅せる
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