「日本では仕事がある」 まろやかでピリッと辛いフィリピンの母の味

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聞き手・大村美香
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 フィリピン料理というと何を思い浮かべますか。フィリピン出身で東京都府中市在住の会社員、荒岡クレシリンさん(56)に「ふるさとの味を教えてください」とお願いしたところ、「ビコールエクスプレス」という料理を作ってくれました。

 ビコールエクスプレスは、豚肉と唐辛子をココナツミルクで煮込んで作ります。まろやかでピリッと辛い。母のふるさと、ルソン島南部のビコール地方の料理で、母に作り方を教えてもらいました。一晩おくと味が染みてさらにおいしい。

 よく作るのはパーティーの時。肉とココナツミルクをたっぷり使う、ぜいたくな料理ですから。今日は私のアレンジで、エリンギと小松菜を加えました。日本人は野菜が好きでしょう?

 私が初めて来日したのは1991年。大学生でしたが、先に日本で働いていた妹に、日本は給料がいいしチャンスって誘われました。フィリピンではいくら探しても仕事がありません。男も女も、大学を出ても、多くの人が外国で働きます。当時はサウジアラビアや、香港、シンガポールが多かった。

 ホテルで昼と夜のショータイ…

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この記事を書いた人
大村美香
くらし報道部|食と農、消費者庁
専門・関心分野
食と農